旧閑ガゼッタ

「鎌田、遠藤、冨安と日本人3人は3連勝に貢献したが、本当のキーはチームメイトの相乗効果にある」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ第8節 シント・トロイデン-アントワープ

冷たい雨が降る中でのベルギーリーグ第8節。ここに来て連勝と好調なシント・トロイデンは3-1-4-2で、右CBに冨安、アンカーにはアサモアが入り、遠藤は左インサイドハーフの位置で先発。関根と小池はケガでベンチ外、鎌田はベンチスタート。対するアントワープは4-2-3-1のフォーメーション。

アントワープはここまで無敗、7試合で失点3という結果が示すように、守備時はフィールドプレイヤー10人全員が自陣に入ってコンパクトな3ラインを作るなど、チーム全体の守備意識が非常に高い。

そしてボールを奪うと全体が積極的に押し上げ、シント・トロイデンのサイドを崩してクロスを上げて来るが、冨安を含む3バックがしっかりボールを跳ね返して失点を許さない。

シント・トロイデンは前半の途中からボリの1トップにセバージョスとデサールが2シャドー、遠藤とアサモアがダブルボランチの形になったが、遠藤は幅広く動いてパスコースを作り、そのスペースをカウンターで使われる事も多かったが、アントワープの守備を崩して徐々にシュートチャンスを作り出すようになる。

前半はどちらもミドルシュートの場面はあったものの得点には至らなかったが、後半開始早々の3分に、右サイドのスローインで相手がボールサイドに寄ったところを、左でフリーになっていたデサールにセバージョスからスルーパスが通り、ファーにコントロールショットを決めてシント・トロイデンが先制する。

後半14分には遠藤からボリにスルーパスが通るが、ボリはコントロールに手間取って結局バランスを崩してシュートを打てず。その後はパワープレイ気味に長いボールを放り込むアントワープと、カウンターを狙うシント・トロイデンという図式になり、後半30分にセバージョスに代えて鎌田が投入される。

ただその甲斐もなく、アントワープのパワープレイの前に遠藤とアサモアがDFラインに吸収され、シント・トロイデンはゴール前に貼り付けられて鎌田のところまでボールが来ない。後半45分になってようやくカウンターから鎌田にパスが出るがコースがずれて折り返すだけ。

ところが後半ロスタイムにシント・トロイデンはボリの粘りで相手PA付近でボールを奪い、右で待っていた鎌田はパスを受けると、そのまま冷静に切り返しからGKを交わして流し込み2試合連続のゴール。これで試合は勝負あり。シント・トロイデンが2-0でリーグ戦3連勝を飾った。

遠藤は1対1でボールを奪い切るまでは行かないけど、以前のようにマークに行って前を向かさないだけではなく、ファールを与えても止めるという意識が強くなった。遠藤がアンカーだと不安定だったが、リーチの長いアサモアとのダブルボランチは良い相乗効果になっている。

同じことは冨安にも言え、彼自身は時々対人でのミスはあったものの、テイシェイラのカバーリング能力にかなり助けられて無失点。その代り右足でのビルドアップでチームに貢献している。鎌田はゴールは決めたがまだインテンシティの強度に課題はあるが、ボリにボールが収まるのでシュートの機会がもらえている。

つまり、彼ら個人の能力というよりもチームメイトとの相乗効果が良い流れを生み出していると言え、こういうチームは1人の選手の欠場などでは簡単に崩れないもの。今期はシント・トロイデンのプレーオフ1への進出にも期待が出来そうである。