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「個の能力は確かに大事だが、それに偏ってばかりではチームにならない」日本クラブユースサッカー選手権(U-15)決勝 セレッソ大阪U-15-サンフレッチェ広島F.Cジュニアユース

せっかくUEFAネーションズリーグが初開催されているのに、テレビもDAZNも放送をしてくれないので、昨日は録画してあったU-15のクラブユース選手権の決勝を見ていた。

決勝のカードは、柏レイソルやコンサドーレ札幌を破って勝ち上がったセレッソ大阪U-15と、鹿島や横浜Fマリノスを下して進出してきたサンフレッチェ広島ジュニアユースという、どちらが勝っても初優勝になるカード。フォーメーション的にはどちらも4-4-2のゾーン・ディフェンスのマッチアップ。

試合は序盤からセレッソがハイプレスで圧倒して攻め立てるが、広島は自陣にコンパクトなゾーンを敷いて粘り強く対応し、得点を許さない。試合が落ち着いた前半15分頃から徐々に広島が盛り返し、20分にはPA右でパスを受けた島津が切り返しから決定的なシュートを放つが、ボールはわずかにニアへ外れる。

序盤は攻めあぐねたセレッソも、広島が前に出て来た事で生まれたスペースを使い、前半28分には向井のドリブルから木原が中で合わせてシュートもこちらもニアのサイドネット。

試合が動いたのは前半32分、セレッソCBの縦パスがミスになったところを見逃さず、藤野からパスを受けた広島の10番、棚田が冷静にシュートを決めて広島が先制する。さらに右サイドへのスルーパスから折り返しを藤野がシュートも相手に当たってゴールはならなかったが、後半14分にCKからPA内で混戦になり、また棚田が蹴り込んで広島が2点目。

そこからはセレッソがポゼッションで圧倒するんだけど、攻撃が中央に偏ってしまい、粘り強く守る広島の守備を崩しきれない。セレッソは後半27分に小河が右サイドからマークを振り切るもシュートはゴールを横切り、その直後のチャンスも決められず。

しかし後半39分、高い位置でボールを奪ったセレッソは、中でパスを受けた下川が右サイドへ流し、リターンを受けてからのシュートを決めて1点差に迫ると、ロスタイム1分に中でのワンツーから高橋が決めて同点、これで延長に突入かと思われた。が、ロスタイム4分に、CKからのこぼれ球を拾った広島がヘディングで前にボールを送ると、いち早く反応した松浦が押し込んで劇的な決勝点となり、広島が栄冠に輝いた。

セレッソは個の能力は高いんだけど、それに依存し過ぎた格好。各攻撃陣がまずドリブルからシュートに行く姿勢は決して悪くないんだけど、それに頼って誰もボールホルダーを追い越して行かず、どうせシュートを打つだろうと足を止めてしまっていた。パスコースが作ってもシュートを打ってしまっているので、周りが諦めるのものも仕方ない。それに比べると、広島はちゃんとチームになっていて、攻守のバランスが良く集中力も高かった。勝つべくして勝った決勝だったと言える。

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