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「コスタリカは噛ませ犬になってしまったけど、噛み方にはなかなか意義があった」キリンチャレンジカップ 日本-コスタリカ

チリ戦中止のあとを受けた森保ジャパンのデビュー戦は、コスタリカ相手に3-0と快勝、まずは順調なスタートを切った。

とは言え、昨日のコスタリカはGKのケイラー・ナバスは不在、他のメンバーも自国リーグとMLSの選手で構成され、ここまで6試合未勝利、日本戦の前に行われた韓国との試合でも0-2で負けている結果が示すとおり、あくまで森保ジャパンのお披露目という試合で、実力的に世界と伍して行けるかどうかを判定できる試合ではなかった。

コスタリカは韓国との試合でも防戦一方だったらしいが、この試合でも日本がボールを保持している間は5-3-2のフォーメーションを崩さず、前線からのプレスもほとんどかけて来なかったので、日本の4バックはノープレッシャーでボールをラクラクと運べていて、守備面でもパニックに陥るような圧力を受ける事はほとんど無かったので、DF陣についてはあまり評価は出来ないかなと。

ただ気になったのはダブルボランチの出来。遠藤は攻撃面では良かったが、守備ではシント・トロイデンでの試合と同様に、あちこち動き回ってマークに行くのだけど止めきれず、かえってゾーンに穴を作る始末で、青山もパスはいいが決して守備範囲が広いほうではない。後半にはDFラインと中盤が空いて間延びする時間帯があり、強い相手だったらどうなったかは分からない。山口蛍にもまだチャンスはあると見る。

攻撃陣には収穫は多かった。特に2列目の選手は個人で打開しようという意識が強く、青山から躊躇なく出される縦パスをゾーンの間で受けて自力でターンできる能力を持っているため、バックパスでスローダウンするような場面がほとんど無くて見ていて気持ちが良かった。

最も目立っていたのは中島。ドリブルの能力はもちろんだが、そこからのパスやカットイン、フェイントなど、両足が使えるのでプレイの選択肢が多く、1対1に強い。ロシアW杯で宇佐美の代わりに入っていれば、ベルギー戦であそこまで押し込まれることも無かったはずだと、今でも個人的には思っている。

得点を決めた南野は、縦パスを受けてターンからドリブルのスピードが早い。ザルツブルクで鍛えられたようで、守備への切り替えも素早くなっている。堂安は、ボールを持って前を向けば期待感はあるが、ボールを呼び込む動きや、右足の精度にまだ課題を残している。

ロスタイムに3点目となるカットインからのシュートを決めた伊東純也は、良い才能を持っている事は前から分かっているが、トラップの確実性や外国人選手との間合いの掴み方が向上すればという感じ。つーか、さっさと海外に行くべき選手だが。

1トップで先発出場した小林は少し物足りない出来。動き出しが命の選手なので、まだコンビネーションが出来ていない状態では実力が発揮しにくいところだが、それでもボールキープなどで貢献できないと厳しいところ。

まあ、何しろもうちょっと強い相手との試合が見たいね。10月にはパナマとウルグアイの試合があり、来年にはコパ・アメリカがある。経験を積めば伸びる選手が揃っていると思うので、どんどんボロクソにやられるような相手との経験を重ねて欲しい。

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