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「W杯最多1137本のパスを繋いだスペイン、謎のパワーに守られた鉄のカーテンに跳ね返される」ロシア・ワールドカップ ベスト16 ロシア-スペイン

グループAとBが対戦するもう1つのカードは、開催国ロシアとスペインの対戦。

スペインはイニエスタがベンチスタートで、1トップがジエゴ・コスタ、2列目がイスコ、シルバ、アセンシオ、ボランチがブスケツとコケが並んだ4-2-3-1、対するロシアは並び的には3-1-4-2という形ではあるが、実質的には5-4-1のフォーメーションでスタート。

試合は当然のようにスペインがボールを保持し、ロシアが5バックで守ってカウンターを狙う展開で始まるのだが、前半11分にスペインがゴール右のFKからセルヒオ・ラモスとイグナシェヴィッチがもつれ、イグナシェヴィッチの足に当たってのオウンゴールになってスペインが先制する。

その後はなかなか攻め手が無かったロシアだが、前半43分にロシアのCKからジューバがヘディング、それがジューバと競ったピケが上げた腕に当たりPK、これをジューバ自身が決めてロシアが同点に追いついたところで前半を終了する。

後半も圧倒的にスペインがボールを支配するが、10人で自陣に鉄のカーテンを作るロシアに対し、スペインはゴール前にポツンと1人ジエゴ・コスタがいるだけで、ブロックの外側をぐるぐるパスを回すプレイに終始、全くPA内にボールを入れることが出来ない。

そこから延長戦の中でスペインが生み出した決定機はわずか3つ、後半39分にイニエスタのミドルをアキンフェエフが弾き、こぼれ球をアスパスが狙うもコースを外れ、延長後半4分にロドリゴのシュートをこれまたアキンフェエフが弾くもこぼれ球を押し込めない。延長後半ロスタイム、ロシアのクリアミスを拾ったロドリゴのシュートもセーブされ、試合はPK戦へともつれ込む。

PK戦は、スペインのGKデヘアが2本ぐらいコースを読んでいたのに止められず、ロシアが4人全員成功させたのに対し、スペインは3人目のコケがど真ん中に蹴ったのをアキンフェエフの足に阻まれ、5人目のアスパスはフェイントに引っかかり失敗、これでスペインはベスト16で敗退、開催国のロシアがクロアチアとの準々決勝へと駒を進めた。

スペインのパス数はW杯史上最多の1137本、ロシアの285本の実に4倍、ボールポゼッションは79対21と圧倒的にボールを支配したが、最後までロシアが作った「鉄のカーテン」を打ち破れなかった。イニエスタは確かにこの大会では安定していなかったが、こういうチーム相手にこそ必要だったはずで、ロペテギ監督の直前解任から結局スペインは自らのリズムを取り戻せないまま、大会から去る事になってしまった。

とは言え、いくら自陣に引きこもっていたとは言え、最後まで足を止めずにアタックとカバーリングを徹底、足をつる選手が続出しながらも延長戦では何度かカウンターを仕掛けるなど、凄まじい運動量である。初戦のサウジ戦では圧倒的なスプリント回数を記録するなど、この大会は何か別の”見えない力”が働いているようにしか思えない(笑)。日韓W杯の韓国と同じような感じで、開催国には「ド」のお目溢しをしてもらえる特権でもあるんだろうか? クロアチアも要注意である。