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「アルゼンチンが韓国と対戦していたら、ドイツのような結果になっていたかも」ロシア・ワールドカップ グループD ナイジェリア-アルゼンチン

クロアチア戦でまさかの大敗を喫し、チームが空中分解寸前に陥ったアルゼンチンだったが、その後の試合でナイジェリアがアイスランドに勝利した事で自力でのグループリーグ突破の可能性が復活、噂によるとサンパオリ監督の代わりに、メッシとマスチェラーノが中心になってメンバーと戦術を決めて臨んだ勝負の第3戦。

ナイジェリアはイヘアナチョとムサの2トップ、右WBにモーゼスが入った3-1-4-2、アルゼンチンはイグアインの1トップに2列目にメッシと復帰のディマリア、インサイドハーフには今大会初出場となるバネガ、そしてGKにはクロアチア戦で失態を見せたカバジェロに代えてアルマーニが入った4-3-3のフォーメーションでスタート。

試合はアルゼンチンがボールを保持し、ナイジェリアがカウンター狙い。とは言えナイジェリアはセネガルに比べると守備が組織だっておらず、DFがは5人でラインを作るのだがマークに行ったり行かなかったり、中盤のポジショニングもバラバラで安定感が無い。

すると前半14分、アルゼンチンがパスカットからバネガに繋ぎ、一発のロングパスにメッシが抜け出し、背後から来たボールを腿と足でトラップ、そこから完璧なシュートをファーサイドに決めて先制点をゲットする。

ここからナイジェリアが反撃・・・とは何故かならず、ボールを奪っても前線の動き出しが乏しく、中盤でスローダウンしてアフリカンらしい豪快なサイドアタックが見られない。逆にアルゼンチンは32分にDFライン裏へ抜け出したディマリアが倒されPAのすぐ外でFK、メッシのキックはナイジェリアGKウゾホがわずかに触ってゴールポスト。

前半は全く良いところが無かったナイジェリアだが、後半開始3分にCKの場面でマスチェラーノがバログンを抱え込んだと見なされPK、モーゼスがGKの逆を突いて冷静にゴールを決め、ナイジェリアが同点に追いつく。

この得点で、それまで動きが硬かったナイジェリアがのびのびとプレイし始める一方、アルゼンチンはそれまでサイドに寄ってプレイしていたメッシがトップに張った状態になり、攻撃が中に偏ってナイジェリアのカウンターを浴びる苦しい展開。

ここでサンパオリ監督はペレスに代えてパボンを投入、メッシに代わって右サイドに張ったサイドアタッカー的なポジションで攻撃に幅を生み出し、アルゼンチンに再び落ち着きが戻って来る。

が、ナイジェリアもボランチがしっかり5バックの前でフィルターとして働き、メッシが自由に動いてボールを触るがアタッキングサードで相手をフリーにはさせない。すると後半30分にナイジェリアがパスカットからムサが左サイドを抜け出し、クロスをアルゼンチンのロホがクリアミスしたボールを途中出場のイガロがボレーも枠外と、超決定機をフイにしてしまう。

裏の試合でクロアチアがアイスランドに同点となったため、このまま終わると引き分けでも決勝トーナメントに進めるナイジェリアは守備を固め、アルゼンチンはアグエロを投入して4-3-1-2に変更、ベタ引きのナイジェリアに対して最後の猛攻を仕掛ける。

すると後半41分、パボンが右サイドでSBのメルカドに繋ぎ、クロスをファーにフリーで走り込んだロホが合わせてとうとうアルゼンチンが均衡を破り、アルゼンチンサポーターが狂喜乱舞する観客席の中で、中指を立てて祝福するマラドーナ(笑)。

その後はスタジアムの勢いに押されたのかナイジェリアはほとんど反撃できず、アルゼンチンはメッシが前線でスライディングタックルを仕掛け、ボールキープで倒れるなど献身的なプレイでチームを引っ張り、4分のロスタイムを消化して試合終了。クロアチアがアイスランドの勝利したため、アルゼンチンがナイジェリアを逆転してグループ2位で決勝トーナメントに進出した。

確かに、アルゼンチンはエースのメッシがゴールという復活のきっかけになりそうな結果は出したのだが、自力突破がかかっているのに何故か萎縮したかのようにバラバラだったナイジェリアの試合運びに助けられた感が強い。これが昨日の韓国のように徹底的に走って粘られたら相当苦しい内容になったはず。イグアインもパッとしない出来だったし、メッシ以外の攻撃陣が奮起しないとベスト16のフランスには歯が立たないだろう。

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