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「ポーランドの意図不明な3バック、日本戦に備えての布石なのだろうか?」ロシア・ワールドカップ グループH ポーランド-コロンビア

コロンビアはハメス・ロドリゲスが先発に復帰して左SHに入り、1トップがファルカオ、トップ下がキンテロ、右SHがクアドラードの4-2-3-1。対するポーランドは1トップがレヴァンドフスキ、シャドーにジエリンスキとコフナツキを並べた3-4-2-1。

ポーランドの狙いは、おそらくセネガル戦で孤立してボールを触れなかったレヴァンドフスキと近い位置にシャドーを置いてフォローさせ、攻撃時にはWBを高い位置に上げた3-2-4-1でサイドからレヴァンドフスキにクロスを合わせるというもの。

そして序盤はその狙い通りにポーランドがクロスを浴びせるが、10分を過ぎると試合が落ち着き、ポーランドの攻撃がDFからサイドへのロングボールか前線への縦パスしか無く単調で、コロンビアの守備陣が難なく跳ね返すようになり、セカンドボールへの出足でも上回るコロンビアにペースが移って行く。

前半30分にアギラールが怪我でウリベに交代するアクシデントはあったが、コロンビアの攻撃はさらに鋭さを増してクアドラードを基点に何度もポーランドゴールを脅かす。そして前半38分に、クアドラードのクロスから得たショートコーナーから右サイドをハメス・ロドリゲスが抜け出し、柔らかいクロスにDFミナがヘディングで合わせてコロンビアが先制する。

後半になると、ポーランドはコロンビアの選手に対して高い位置から厳しく当たるようになり、DFからの長いボールじゃなくてボランチとの間でゲームメイクをするなど、試合の流れを変えようとする。そして後半12分に一発のパスで抜け出したレヴァンドフスキがトラップからシュートもGKオスピナが飛び出しで何とか体に当てる。

その後もポーランドはハイプレスでセカンドボールを拾って攻勢に出るも、やはりラストプレイがクロスに偏りがちでアイデアがなく、コロンビアの守備を崩せない。逆に後半23分、ショートカウンターからキンテロのスルーパスにファルカオが抜け出し、右足アウトで2点目のゴールを決める。

さらに前がかりになったポーランドに対し、後半30分に左サイドでボールを持ったハメス・ロドリゲスからピッチを横断する絶妙なグラウンダーのパスがクアドラードに渡り、そのまま抜け出しシュートを決めてコロンビアが3点目。これで試合は決まってしまった。

ポーランドは43分にレヴァンドフスキが怒りのミドルシュートを浴びせるが、これもGKオスピナがかろうじて手に当ててゴールならず。そしてそのまま0-3で試合終了。勝ったコロンビアがグループリーグ突破の権利を手にし、ポーランドは2戦目にして敗退が決定してしまった。

ハメス・ロドリゲスが復調して11人で戦ったコロンビアが強かったのは確かだが、それよりも特に優れたウインガーがいるわけでもないポーランドが3-4-3にして来た意味が良く分からなかった。レヴァンドフスキの孤立対策なら4-4-2や4-4-1-1のほうが遥かに良いように思うし、正直なところ日本戦に向けてはほとんど参考にならなかった試合だった。

とは言え、レヴァンドフスキにボールが入ると怖いし、セットプレイを含めて高さは脅威なので、時間帯によっては押し込まれてピンチにはなるだろう。それでもラインを下げずコンパクトに守り、セカンドボールを丹念に拾ってゾーンの間で正確にパスを繋ぐサッカーをやって行けば、そんなに心配する必要は無いんじゃないかと思う。暑さもあるので、コンディションと90分間のチームマネージメントが結果を左右する試合になりそうだ。

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