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2017-2018シーズン海外組通信簿(スペイン、ポルトガル、オランダ、オーストリア編)

一応、明後日にはスイス戦があるのでサクサク進めていきます。

 

スペイン・リーガ・エスパニョーラ

柴崎岳 5.5

テネリフェを昇格一歩手前まで引き上げた活躍を経て1部のヘタフェに個人昇格、第4節のバルサ戦でスーペルゴラッソを叩き込み、トップ下として輝かしい未来が見えたものの、その試合で怪我を負ってしまい天国から地獄。怪我から復帰しても低調なチームに引っ張られてサブに出戻り、そこからモリーナとアンヘルの2トップを並べた4-4-2のキック&ラッシュ戦法でチームが固定、ウイニングチーム・ネバーチェンジの原則で出番を失ってしまった。終盤にようやくボランチとして先発起用されたところでシーズン終了。
来期はヘタフェ自体が監督や選手が大きく変わらない限りはパスサッカーに戻らない可能性が高く、移籍するにせよ残留するにせよ、大きな覚悟が必要なシーズンになりそうである。

乾貴士 7

昨シーズンまでは試合ごとに調子の差が激しく、必ずしもチームやサポーターから全幅の信頼を得ていたとは言えなかったが、今期はキレのあるドリブルに加えて、ゾーン・ディフェンスを完璧にマスターしたポジショニングやカバーリング、それをこなしつつ労を惜しまず前に出て行く運動量、さらには右サイドまで一発で通すサイドチェンジなど、攻守全般に置いてプレイの幅を広げて中心的な役割を担い、今期は不動の左SHとしてほとんどの試合で先発して評価を盤石なものにし、シーズン終了後にベティスへの移籍を決める事になった。
30歳という年齢でステップアップを果たした成長ぶりは文句のつけようが無いが、あえて課題を言えば得点力。やはりシーズンで5G2Aという数字は前線の選手としては物足りない。ゴール前に入って行く動きは良くなっているので、あとはゴール前での冷静さとパンチ力だろうか。

 

ポルトガル・リーグ

中島翔哉 7.5

リオ五輪で活躍しながらも、FC東京ではほぼ戦力外的な扱いだったのに、ポルトガルリーグのポルティモネンセへと移籍してからは、公式戦33試合に出場して10G13Aと文句のつけようが無い成績を残し、一躍PSGやシティなどビッグクラブへの移籍の噂が出て来るスターへとのし上がってしまった。いかに、日本ではエゴイスティックと見なされドリブラーが評価されない、デュエルよりもスペースを人数で埋める守備がドリブラーを育てないかという現実をまざまざと見せつけられた結果となった。
ロシアW杯の代表には「BIG3」の指定席が既に予約されており、欧州のメディアから軒並み不選出に疑問符を付けられたが、「おともだちとなかよくさっかー」をするお遊戯会に出ても意味がないと割り切り、じっくり次の舞台を選んでほしいね。

 

オランダ・エールディビジ

堂安律 7.5

去年の夏、ガンバ大阪からエールディビジのフローニンゲンへとレンタル移籍、シーズン序盤こそ戦術面で適応できずベンチ暮らしが続いたが、持ち前のコミュ力で第6節から先発の座を勝ち取ると、日本人離れした強引なドリブルとゴールへの嗅覚を発揮、守備面でもメキメキと向上して完全にチームの主力選手としてのし上がり、クラブの歴史上、10代の選手としてはロッベンやスアレス、クーマンに比較される公式戦10得点という記録を叩き出した。
シーズン終了後、フローニンゲンはガンバに対して買い取りオプションを行使、2021年までの契約を結んだ。これはオランダの貧乏クラブとしては異例の投資で、それだけ堂安に対する期待の高さが伺える。それを上回る結果を出して、再来期はビッグクラブからの高額移籍金を勝ち取ってもらいたい。

小林祐希 6

昨シーズンはいきなり移籍してすぐに先発定着、一気に日本代表候補への期待が高まったが、今期は54試合ぶりの先発落ちを経験するなど調子に乗り切れず、チームもELプレーオフに進出しながらも結局敗退。ロシアW杯メンバーにはかすりもせず、残念なシーズンの終わり方になってしまった。ぶっちゃけ相当な鈍足なので攻撃陣としてのレベルアップは難しく、これからボランチ専任で守備や展開力にどれだけ磨きをかけられるかがポイントだろう。

 

オーストリア・ブンデスリーガ

南野拓実 6

ザルツブルクでの4シーズン目となった今期だが、試合に出ればゴールを決めて、通算で11G9Aと昨期に比べてゴール数は変わらないもののアシスト数を伸ばしているのに、監督からは守備力や戦術面でダメ出しをされ続け、チームの中では相変わらず中心選手という扱いには至らず、リーグ戦では出場機会を得てもCLやELでは出番をもらえず仕舞いで終わってしまった。オーストリアと言え、これだけ安定して結果を出しているのだから、他のチームなら飛躍できそうなのに、あっさりと冬にチームと2021年まで契約を延長してしまったのはどうなのか。監督は来期も続投だし、本人にどういう来期の展望があるのか聞いてみたいところである。

奥川雅也 6.5

2015年の夏に、南野と同じザルツブルクに完全移籍するも、すぐに2部のリーフェリングにレンタル移籍、その後は音沙汰が無かったが、今期からは1部のマッテルスブルクにチームが変わり、シーズン前半は出番を得られなかったものの、第15節からは先発に定着、結局公式戦で8G4Aと結果を残し、順調にキャリアを積み重ねたシーズンだったと言える。来期はまだどこでプレイするかは分からないが、南野でさえ苦しんでいるザルツブルクには戻らず、他のチームで出場経験を積んでくれればいいのだが。

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