旧閑ガゼッタ

「10人になった大ピンチから2得点で逆転、とうとう日本に”持ってる男”がやって来たのか?」トゥーロン国際大会 グループC 日本-ポルトガル

初戦のトルコ相手に逆転負けを喫し、ここで負けてしまうとグループリーグでの敗退が決まってしまう日本。同じく初戦で負けているポルトガルはU-19で、初戦から9人を代えたメンバー。日本はフォーメーション的には3-4-2-1と変わらないものの、4人が変わって1トップが小川から田川になっている。

個人能力とチームのディシプリンは明らかにポルトガルのほうが上で、DFラインで速いパススピードでビルドアップし、ボールを奪ったら前線の選手が躊躇なく飛び出し、そこにロングパスを合わせるという、ハリルホジッチが喜びそうな攻撃を展開する。

もちろん速い攻撃だけじゃなくて遅効もこなし、日本の選手がマークに付いた状態で中盤でボールを受けても、1対1程度なら体を使ってキープし、一瞬でもスキを見せてしまうと前を向いてドリブルを仕掛けて来る。

それに比べると日本は守備から攻撃の切り替えが遅く、選手のパススピードもポルトガルに比べて3割は遅く、サイドでスルーパスを出しても相手のほうが先にボールへ追いついてしまう。そしてちょっとでもマークを受けると簡単に諦めて後ろを向いてバックパス。自分1人で相手の守備を剥がそうという努力がほとんど見られない。

序盤からポルトガルに初瀬のサイドを狙われ、前半8分には一発のロングパスで裏を取られ、クロスがゴールに向かったところで冨安がオーバーヘッドでクリア、こぼれ球も外してくれたおかげで何とか失点を免れる。その直後にも中山がプレスを受けて慌ててバックパス、これを拾われてシュートを打たれるがポストに当たって外れる。

日本は前半16分にようやくこの試合初めてのシュートを三好が放ったが、その後もポルトガルにガンガンとシュートを打たれ、セットプレイの流れからのクロスにファーでヘディングを打たれ、何とかゴールライン上でカットしたが、そのこぼれ球を押し込まれてポルトガルが先制する。

しかし前半36分、日本は三好が縦パスを受けてから一瞬の溜めを作って出したスルーパスに田川が反応、相手よりも先にトラップして落ち着いてGKの脇を抜くシュートを流し込んでワンチャンスで同点に追いつき、前半を折り返す。

後半になると、日本も開き直ったのか攻守でデュエルを厭わないプレイが見られ始め、交代で右WBに入った遠藤が前半には無かった積極的なドリブルを仕掛けて、これはちょっと期待できるかなと思ったのだが、遠藤の守備は初瀬よりもさらに悪くなって対面のタバレスにやられまくる。

25分ごろになるとようやくポルトガルのプレッシャーが落ちて中盤でボールを持てるようになったかと思ったのだが、29分に一発のパスで裏を取られ、GK山口が飛び出すもPAの外で手を使ってボールをセーブしてしまい、得点機会阻止で一発退場。そしてFKを決められリードも奪われる。

ところが、これでポルトガルは若さゆえか妙にノリノリになってしまい、さらに前から圧力をかけて3点目を奪いに来る。すると37分、日本は左サイドを突破されて中でフリーで合わされそうになったところで遠藤がパスカット、そこからリターンを受けてドリブルで持ち上がりスルーパス、これを途中出場の上田がマークを振り切って流し込み、日本が起死回生の同点ゴールを決める。

もちろんポルトガルも反撃しようとするが勢いは日本が上回り、後半のロスタイムに三苫の溜めからスルーパスにまたも上田が抜け出し、相手に後ろから引っ掛けられてPK。これを上田自身がきっちり決めて日本が奇跡の大逆転、そのまま3-2で勝利を飾った。

日本はシャドーもWBも含めてサイドの攻守で1対1で勝てる選手が少なく、ポルトガルにリードされた時点で守られていたら勝てなかっただろうが、いろんな幸運はあったにせよ、とにかく勝てたという結果は必ず自信に繋がるはず。次は最初から落ち着いたプレイを見せてもらえると期待しておこう。

ポルトガルはこれでグループリーグ敗退となったが、自力は日本より明らかに上で、五輪まで来たらメダルを争う上で相当なライバルになるはず。特に7番のジョアン・フィリペはクリロナを思わせるドリブルの加速、シザースのキレは、間違いなく数年でビッグクラブに引き抜かれるタレントだ。

あとラッキーボーイとなった上田だが、全然体は出来ていないけど身長はそこそこある上に、スピードのあるボックスストライカーという、日本では非常に珍しいタイプのプレイヤーで将来が楽しみな選手。この活躍でJクラブの注目を集めそうだけど、このまま良さを消さずに育って欲しいね。