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「ゼロトップ起用で首位のクラブ・ブルージュを撃破、ゲントでの久保の新たな可能性」ベルギー・プロリーグ プレーオフ1 第10節 クラブ・ブルージュ-ゲント

久保裕也が出場したゲントの最終戦は、前節でベルギーリーグの優勝を決めたクラブ・ブルージュとの試合。

現在リーグ4位のゲントと5位のゲンクとの勝ち点差はわずかに1。5位になってしまうと、下位のプレーオフ2の優勝チームとヨーロッパリーグ予選3回戦からの出場権をかけて再びプレーオフを戦う事になる羽目になってしまうだけに、ゲントとしてはアウェイではあるが負けられないところ。

ゲントのフォーメーションは4-3-3で、シモンとヤレムチュクが両ウイングに入り、久保は1トップの位置で先発。対するブルージュは3-1-4-2の形でスタート。

試合は、ホームのブルージュがワイドに張るWBを基点にサイドの攻防で序盤の主導権を握るのだが、ゲントは久保が3バックの両サイドに出来るスペースに流れてボールを受ける形でリズムを作り、ボールポゼッションでゲントがブルージュを上回り始める。

前半17分にスローインからの流れで久保がクロスに右足を合わせるがジャストミートせずGKにセーブされるが、20分にはPA右から久保が放ったFKがポストをわずかにかすめるなど、久保を中心にチャンスを作り出す。そして前半27分、久保がCBジゴからのロングパスに抜け出すと、上手くトラップしてから抑えたシュートを放ち、これがブルージュゴールに吸い込まれてゲントが先制する。

その後はゲントが引いてブルージュが攻め込む展開に変わり、37分には左からのクロスをヴォセンがフリーでヘディングするも上手くヒットせず。ゲントは1トップの久保も中盤守備に参加し、実質ゼロトップの形で粘り強く守って前半を折り返す。

後半はホームのブルージュが完全にペースを握り、サイドを制圧して何度もクロスを浴びせて来る。マイボールになってもなかなか前線でキープが出来ず苦しい展開のヘントは、後半17分には久保のボール奪取からゴール前でパスを受けるがトラップをミスしてシュートまで行けず。30分にもラストパスを受けてシュートもGKの飛び出しに弾かれる。

ブルージュは後半41分にクロスの折返しから完全にフリーになったものの、ヘディングを叩きつけ過ぎてGKにキャッチされゲントは命拾い。終盤には久保は右SHの位置に移り守備で奮闘、ゲントは最後まで失点を与えず0-1で勝利し、リーグ戦を4位で終えてヨーロッパリーグ2回戦からの出場権を獲得した。

今期の久保はこれで合計11ゴールと、前期は移籍してからの半年で自身が挙げたゴール数と並ぶ結果に終わってしまった。もともと身体能力的にずば抜けたものは無く、ゴール前での冷静さと決定力で出場機会を得ていた選手だけに、今期は前半からイージーなシュートを外してしまう場面が多く、安定した出番と活躍が出来なかった。3月の代表戦でもウクライナ戦で絶好期に決められず、もしそこでゴールが決まっていたらハリルホジッチの首も繋がっていたかもしれない。

しかし、この試合でのゼロトップ起用は、ゲントにおける久保の使い道に新たな可能性が生まれたように思うし、決定力も復活しつつある。代表で大迫を差し置いての1トップは難しいだろうが、ゴール前での鋭さが徐々に復活しつつあるので、代表への追加招集を考えるべきだと思うのだが・・・

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