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「守備で体を張る”ニュー柴崎”、ボルダラス監督へのラストアピールは成功したか?」スペイン・リーガエスパニョーラ 第38節 マラガ-ヘタフェ

ヘタフェのリーグ最終戦は、既に最下位で降格が決まっているマラガとアウェイでの対戦。どちらも4-4-2のフォーメーションで、柴崎は2試合ぶりにダブルボランチの右として先発。

ヘタフェのサッカーは、相変わらずボールを奪ったらボランチをすっ飛ばして2トップのモリーナとアンヘルにロングボール、アマトがサイド突破という形しか無いのだが、それで十分ペースを握ってチャンスを作れるのだから困ったものである。

柴崎は、前回先発したラス・パルマス戦ではポルティージョとコンビを組んで、柴崎が攻撃的な役割で上手く分担出来ていたのだが、今節はポルティージョがサイドになって柴崎はファジルとのコンビになり、また役割が曖昧になって守備に追われる展開。

それでも柴崎は10分にアンヘルの頭にCKをピッタリ合わせて存在感を見せるが、逆に19分には自陣での横パスをカットされてあわや失点というピンチを作ってしまってプレイリズムがなかなか作れない。

そしてマラガも守備を修正してヘタフェのFWに裏を取られる事が少なくなり、攻撃では左SHサクセスの強引なドリブルでペースを握り返し、試合は膠着状態に。前半終了間際にヘタフェのアントゥネスの強烈なFKはあったがマラガGKプリエットのファインセーブに阻まれ前半を折り返す。

後半になると、それまでは低めのアンカー的なポジションで守備に回る事が多かった柴崎は、ラス・パルマス戦の後半と同じく積極的に前へ出てプレスを仕掛け、サイドなど中盤を幅広く動いて多くのボールに絡み始める。

すると後半20分、ヘタフェは高い位置でボールを奪うと中へ飛び込んだ柴崎にパスが通ったが、トラップが少し流れてしまってシュートまで行けず、その直後にはサクセスのドリブルを柴崎が止めに行ったが強引に抜かれ、決定的なシュートを打たれるもサイドネットと、どちらもビッグチャンスに決めきれない。

しかし後半27分、ファジルが奪ったボールを柴崎が浮き球のワンタッチパスで繋ぎ、それを拾ったレミーが股抜きから突破、それをゴンザレスが抱えてしまってPK。これをレミー自身が決めてヘタフェが終盤にリードを奪う。ここから柴崎はまたボランチのポジションに戻って安全運転、後半36分にモラと交代。

その後はマラガが前線のアフリカ系選手がゴリゴリと力ずくでヘタフェを攻め立てるも最後までゴールを割ることは出来ず、そのまま0-1で試合終了。これで4試合連続でアウェイ勝利となったヘタフェは、結局リーグを8位で終了。欧州戦には届かなかったが、十分健闘したシーズンだったと言えるだろう、

柴崎は、終始体を張った守備を厭わず、監督がダブルボランチに求める力強さに応えようという意欲は感じたが、何度かタックルを突破されるなど守備面では大きなアピールとはならず。攻撃面では既に能力は証明できているが、チーム事情的に2トップは外せないため、柴崎がヘタフェで生き残るにはこの先も守備での向上が必須になる。来期は他チームへの移籍も噂されているが、この試合を見てボルダラス監督は戦力的にどう判断したのだろうか?

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