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「酒井のぎこちないティキタカも披露、マルセイユが力技でトロワをねじ伏せる」フランス・リーグアン第33節 トロワ-マルセイユ

フランス・リーグアンも残り6節。既にパリ・サンジェルマンが優勝を決めてはいるが、チャンピオンズリーグ争いは激烈で、本戦出場の2位にはモナコが勝ち点70で付け、プレーオフから出場できる3位をリヨンとマルセイユが同勝ち点でしのぎを削っている。

マルセイユはヨーロッパリーグの3バックではなくていつもの4-2-3-1。1トップがジェルマン、2列目がエンジエ、パイェ、トヴァン、酒井は定位置の右SBで先発。対するトロワも4-2-3-1のマッチアップ。

トロワは現在残留争いの真っ最中で、そういうチームとのアウェイ戦はどんな強豪であっても難しくなる事が多いのだが、案の定いきなり試合開始わずか37秒で、酒井のサイドをワンツーで突破され、ルイス・グスタヴォの頭を超えたクロスをグランシルに頭で叩き込まれ失点するマルセイユ。

基本的にマルセイユのほうがボールを支配しているのだが、連戦の疲れからかDFラインの押し上げが弱く、中盤のプレスを突破されるとバイタルが空いているのであっという間にゴール前まで攻め込まれ、またセカンドボールを拾われる始末。

それでも前半11分に、FKのサインプレイからフリーで抜け出したエンジエが流し込んで同点にしてからはマルセイユに勢いが出て、14分にはトヴァンとのコンビネーションで酒井がオーバーラップからフリーでクロス、オフサイドラインを抜け出したエンジエの反転シュートなど、惜しいチャンスを作るようになる。

それからもマルセイユはゴール前で何度かFKの機会を得たり、アマヴィの強烈なミドルがあり、酒井も積極的に攻撃参加してトヴァンとギクシャクながらスペインばりのダイレクトパスをしたりと攻撃のリズムは好調で、何度も決定機はあったのだが追加点は奪えず前半を終了する。

ところが後半4分、ルイス・グスタヴォの横パスをゴール前で拾われ、グランシルのシュートはプレが弾いたものの、こぼれ球を二ヴェに押し込まれてまたリードを許してしまう。その後にトヴァンがPA内で受けたタックルを流され、抗議したカルシア監督が退席処分と泣きっ面に蜂。

当然、マルセイユは逆転を狙って前に出て来るんだけど、マシンのようにオーバーラップを繰り返す、なぜか元気いっぱいな酒井を除けば(笑)、全体的に足が止まっていて上手くスペースが使えず、ミスからカウンターを食らって度々ピンチになるなど嫌なムードが漂い始める。

が、トロワも疲れたのか互いにミスが多くなり、中盤に空いたスペースを使い合うオープンな展開になると、後半30分にマルセイユはカウンターからドリブルで持ち込んだパイェからミトログルにボールが渡り、ミトログルはカットインからファーサイドに巻いたコントロールショットを決めてやっとこさマルセイユが同点に追いつく。

その後は両チームともに何度かビッグチャンスを作るが得点は動かず、ドローで終わるムードが漂い始めた後半39分、左SBのアマヴィが切り替えしてから上げたクロスが、ファーサイドで待っていたトヴァンまで届き、ダイレクトで叩いたボレーシュートがゴール左に決まってとうとうマルセイユが勝ち越し。

すぐさまマルセイユはジェルマンを下げてアブデヌールを投入、5バックにして守備固め。試合終了。今節モナコが敗れ、リヨンが勝っていただけに、マルセイユが引き分け以下だとチャンピオンズリーグ権争いから一歩交代になっていたところなので、この逆転勝利は非常に大きい。とは言え、ロランドとマンダンダが怪我で、ルイス・グスタヴォがCBに下がった今の布陣では失点は避けられず、今後はどれだけ攻撃陣が頑張れるかがカギになって来そうである。

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