サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「アトレティコの心を折るイスコのゴールで、決勝は最強の矛と盾との対戦に」UEFAチャンピオンズリーグ準決勝 第2レグ アトレティコ・マドリー-レアル・マドリー

3-0と思わぬ大差になってしまった第1レグの結果を受けて、ホームのアトレティコがどういう反撃の策を見せるのかが注目された第2レグ。

アトレティコはグリーズマンの相棒にトーレスを選んだ4-4-2、レアルは怪我のカルバハルの代わりにダニーロが入った以外は、第1レグと同じクリスティアーノ・ロナウドとベンゼマの2トップにイスコがトップ下に入った4-3-1-2というフォーメーションで臨んで来た。

試合は、序盤からホームの大声援をバックにアトレティコらしさが全開、ボールを奪ったら躊躇なく前に飛び出す2トップにロングボールを合わせ、全体が一気に押し上げてセカンドボールを借りに行く。前半5分にはカラスコのクロスをコケが触ってコースを変え、6分にはトーレスが叩きつけたヘッドが跳ね返ってバーを超えるなど、いきなり決定機の連続が訪れる。レアルも7分にはCKからカゼミロがファーにヘディングを飛ばすが、アトレティコGKオブラクがファインセーブと激しい攻め合いに。

その序盤戦をモノにしたのはアトレティコ。前半の11分にCKからニアで合わせたコケが頭で決めて先制点をゲットすると、15分にはPA内でパスを受けてキープしたトーレスをヴァランが足で引っ掛けてしまいPK。グリーズマンの蹴ったコースは甘かったが、レアルGKナバスの手を弾いてゴール。アトレティコがあっという間にアグリゲートスコアで1点差にまで追い上げてしまう。

しかしここでカウンターを恐れたのかシメオネ監督は選手にペースダウンを指示、レアルもトップ下のイスコが守備時は2列目に吸収された4-4-2のような形にした事で試合が落ち着き、攻撃時にはマルセロが上がってクロースがやや下がった2-3-3-2のような形でアトレティコのプレスを外し、イスコが香川のように低めの位置からピッチを自由に動いてボールを触り始めると、徐々にレアルがポゼッションで優位に立ち始める。

すると前半終了間際に、左コーナー付近でボールをキープしたベンゼマが、ボールを奪いに来たアトレティコの選手3人をタッチライン際を進むドリブルで置き去りにすると、マイナスの折り返しをクロースがシュート、これは一度GKに阻まれるが、こぼれ球をゴール前に詰めたイスコが押し込んでレアルがアウェイゴールをゲット。アトレティコの逆転にはあと3点が必要な振り出しに戻ってしまう。

さしものアトレティコもこれで心が折れた部分もあったのか、後半は一応プレスには行くんだけど、前半のような勢いとコンパクトさに欠けてアタックが単発に終わり、モドリッチやイスコがマークを交わしてボールを運ぶ場面が目立つようになる。シメオネ監督は12分にガメイロ、トーマスを投入してテコ入れを図るがペースは変わらず、逆にジダン監督はアセンシオ、ルーカス・バスケスを投入して余裕の采配。

後半20分には、ロングパスにカラスコが抜け出しカットインからシュート、いったんはGKナバスに弾かれるものの詰めたガメイロが頭でプッシュするもナバスが超反応で止め、31分には左サイドでの突破からクロスをガメイロが合わせるも枠の外とアトレティコに追加点のチャンスはあったが決められず、ロスタイムにはグリーズマンが決定的なシュートを放つがこれもナバスのセーブに遭って試合終了。最後は激しい雷雨が降り、アトレティコにとっては涙雨の終戦となった。

第1レグのヒーローだったクリスティアーノ・ロナウドは大人しかったが、その分ベンゼマやイスコ、モドリッチなど脇役だった選手が活躍、層の厚さを見せつけられた試合だった。これで決勝はジダンの古巣ユベントス、世界最強の矛と盾が対決する試合になった。決勝が本当に楽しみである。

モバイルバージョンを終了