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「内容がまだ伴ってないのに、まさかの逆転首位突破」アジア・チャンピオンズリーグ グループG 川崎フロンターレ-イースタン

最初の4試合は全て引き分けでグループリーグ突破は厳しいと見られていたが、前節の水原三星アウェイで辛勝し、自力で決勝トーナメント進出のチャンスを手に入れた川崎フロンターレ。最終節はここまで未勝利のイースタンとの試合になった。

イースタンのフォーメーションは4-1-4-1で、自陣の低い位置でコンパクトなゾーンを作る専守防衛。しかも川崎のDFやボランチがボールを持っても全く前に出て来ない。川崎のフォーメーションは中村憲剛がトップ下に入った4-2-3-1で、序盤はマイボール時にネットがCBの間に入った3バックのような形になってビルドアップしていたのだが、あまりにもボランチが楽にボールを持てるので3バック化はすぐ取りやめてしまった。

こういう場合はサイドチェンジを使って速くワイドに攻めるのが常套手段なのだが、川崎のショートパスサッカーではそれも出来ず、大島が上がってハイネルが下がってみたりと、いろいろポジションを変えて何とかパスを回そうとするが、当然そう簡単に相手は崩せない。唯一、中村憲剛がバイタルで縦パスを受けた時だけは、狭いポジションで上手くターンをして攻撃の基点を作れていた。

さらに小林悠が前半のうちに相手のタックルを2度も受けて交代してしまい、さらに川崎は苦しくなるかと思われたのだが、前半27分に右サイドを車屋がドリブルで突破すると、イースタンの守備は人数が揃っていたが全員ボールウォッチャーになってしまい、ファーに飛び込んだハイネルに誰も気づかず、そのままフリーで押し込んで川崎がようやく先制点をゲットする。

これでイースタンも前に出て来るかと思ったのだがベタ引きのままで、川崎は相変わらず短いパスワークでミスも結構あるのだが、イースタンの選手はミスがあってもボールを奪いに来ないので、また川崎のターンが続くのみ。そして45分に中村のCKを谷口がきっちりファーにヘディングを決めて川崎が2点目、試合の行方はこれでほぼ決まってしまった。

後半になってようやくイースタンは気がついたかのように前へ出てきたのだが、ハイネルがすかさずスペースへとドリブルを仕掛けると、やはりボールウォッチャーのイースタンはファーに入って来た長谷川に誰も気づかずゴールイン。後半8分には中村のCKから奈良の頭と、前半の繰り返しのような点の取り方で川崎が4点目。

余裕が出た川崎はここで怪我明けの家長を1トップの位置に投入、その家長は後半33分、45分とゴール前で抜け出すチャンスがありながら、どちらもシュートをバーの上に吹かしてゴールならず。イースタンもマッキーのドリブル突破などの見せ場は作ったが、失点になりそうな脅威にはならず、試合はそのまま4-0で終了。裏の広州恒大対水原三星の試合が引き分けに終わったため、何と川崎が逆転でグループリーグの1位突破が確定した。

次のベスト16は、最終節で鹿島を苦しめたムアントンとの対戦。よく似たタイプのチーム同士の対戦だが、現状のチーム完成度を比べると、戦術やコンビネーションの面ではムアントンのほうが上回っているように思う。第1戦は灼熱のタイアウェイなので、ここを水原戦のように粘り強く守って無失点でしのげるかが勝負のポイントになりそうだ。

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