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「代表疲れでヨタヨタな上に、ボランチまでやらされる不憫な久保」ジュピラー・プロ・リーグ 優勝プレーオフ ゲント-クラブ・ブルージュ

ベルギーのジュピラープロリーグは、結構複雑な優勝チーム決定プロセスを持っていて、16チームによるリーグ戦で2回戦を戦った後、その時点での半分の勝ち点からスタートする、上位6チームの間でホーム&アウェイ総当りの優勝プレーオフを行い、最後に勝ち点トップに立ったチームが優勝でCLの国内リーグ上位チーム予選、2位が同じくCLの国内リーグ上位チーム予選、3位がEL予選3回戦の出場権が与えられるというややこしい事になっている。

リーグ4位でプレーオフに突入したゲントの初戦は、ホームでリーグ2位のクラブ・ブルージュとの対戦。これまでのリーグ戦では3バックのフォーメーションを取って来たゲントだが、ガツガツの肉弾戦が予想されるプレーオフでは、相手とのマッチアップを意識したのか久保がサイドではなくトップ下の位置に入った4-4-1-1のフォーメーションにして来た。

もちろん試合は序盤から4-4-2のブルージュと激しいデュエルが繰り広げられ、早速小競り合いや頭突きで流血する選手が出るようなフランダース・ダービーのカードらしい展開になるが、先制したのはアウェイのブルージュ。7分に右サイドからのクロスからウェズレイのヘディングがポストに当たり、自ら跳ね返りを押し込んでゴール。

そこまでやや劣勢だったゲントだったが、25分に右SHカルーの突破からファーに出したクロスを、左SHのシモンが豪快にダイレクトボレーを決めて同点に追いつくと、前半終了間際にはちょっとホームに有利な判定に見えたが相手のハンドを誘ってPKをゲットし、シモンがゴール左隅に決めてゲントが逆転に成功する。

ところが後半2分にCBのエコングが2枚めのイエローで退場した事で戦況は一変する。これでボランチのデヤーゲレがCBに入ったのを受けて、久保が何とボランチでプレイ、その後の10分間を何とか乗り切り右SHへとポジション変更。しかし明らかに疲労が見える久保は相手のクロスを防げず、後半23分の決定的なシュートはゲントGKカリニッチが何とか横っ飛びで弾き、直後のクロスもイメルスが完全にドフリー過ぎてヘッドはGK正面と、ブルージュの決定力不足で何とか難を逃れる。

ゲントはそこから久保を下げて5バックに変更して自陣に壁を作って逃げ切りを図り、ブルージュの猛攻もやや落ち着いて逃げ切りかと思ったら、後半42分にPA内の混戦からフリーでシュートを打たれてしまうが、これも何故か枠の外。結局、運にも相手にも助けられたゲントがプレーオフの初戦で勝利、首位のアンデルレヒトまで勝ち点6差の3位に浮上した。

久保は相手のボランチ、クラウデミールの執拗なマークを受け、やはりリーグでも同じようにマークを外す動きをしてもパスはもらえず、逆にガッチリマークされた時に限ってクサビのボールが来たりと、なかなか前を向いてプレイが出来ない。1度、スルーパスに抜け出す場面はあったがトラップミスでラインを割るなど、代表戦の疲れもあるのかキレも無かった。その分、ポストプレイは粘ってキープはしていたが、本人にとっては不本意でしか無かっただろう。次こそ得点という結果でチームに貢献したいところだ。

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