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「”控えGK”曽ヶ端がもたらした、クラブ・ワールドカップを思い出させる鹿島の安定感」アジア・チャンピオンズリーグ グループE 鹿島アントラーズ-ブリスベン・ロアー

第1戦で蔚山相手に勝利を収めるも、2戦目はアウェイでムアントン・ユナイテッドに苦杯、鹿島にとってはホームで絶対に勝利が必要なACLグループステージ3戦目。相手はここまで未勝利のブリスベン・ロアー。

フォーメーションは鹿島の4-4-2に対してブリスベンは4-2-3-1だが、守備時は4-4-2の3ラインゾーン・ディフェンスになるし、丁寧にパスを繋ぐサッカースタイルもほぼ同じ。しかしいつも思うんだけど、日本相手ならオージーはひたすらデカイFWにロングボールを放り込むだけで勝てると思うんだけど、何故か最近は代表でもクラブでも日本にとっては与し易いショートパスサッカーをやってくるんだよね。

案の定、試合の序盤こそ1トップのマクラーレンが前線で左右に流れてポストプレイで基点となり、そこからサイドが鋭い出足で前を向いてボールを受けるなど、ブリスベンが攻撃のリズムを作るのだが、鹿島もすぐさまマクラーレンに対してDFがきっちり2人でケアをするようになると、あっさりと鹿島が試合のペースを握り返す。

ブリスベンは前半26分にボレロが右サイドを完全に破り、グラウンダーのクロスをマクラーレンがスルーしてフリーになったホルマンがシュートを放つがGK曽ヶ端がギリギリ手に当てて防いだが、この試合でブリスベンが勢いを見せた時間はほぼそこまで。前線で基点を作れないブリスベンは、それでも中盤で繋いで攻めようとするのだが、そこをレオ・シルバを筆頭とした鹿島の守備の出足にカットされ、あとはミドルシュートやセットプレイで単発のチャンスを作ったのみ。

ただ、鹿島も金崎や土居の飛び出しに合わせる形で何度かチャンスを作るもなかなか決められなかったのだが、前半43分に右サイドをオーバーラップした伊東の折り返しを、何故か中でフリーになっていた鈴木がダイレクトで合わせて先制ゴール。鈴木はそれまで消えがちだったのだが、こういうところであっさり点を取ってしまうのはストライカーとしての天性なのか。

後半はもちろんブリスベンが前から来て、ようやくフィジカルを活かした攻めで圧力を強めるのだが、鹿島はコンパクトな守備を崩さず落ち着いて対応すると、この日は出来がイマイチだった永木に代えて小笠原、前半は頑張った伊東に代えて西を投入して試合を締めにかかる。すると31分に、CKでフリーになった植田がヘディングは当たり損ねたもののそのままGKと交錯して押し込み2点目を決めると、4分後には右サイドでボールを受けた遠藤が切り返しからのファーに狙いすましたシュートを決めて3点目、これで試合は勝負あり。

鹿島は永木や最後に入った中村以外は全員それなりに良い出来だったのだが、あえてMOMを挙げるとすれば曽ヶ端。久々の先発ではあったが、クラブW杯での活躍を思い出させるような落ち着いたプレイで、ピンチは少なかったが決定機をきっちり止めて相手に流れを渡さなかった。

また、裏の試合ではムアントンと蔚山がスコアレスドローで引き分け、鹿島は3試合消化の折り返しで勝ち点6の首位に立った。3位の蔚山が勝ち点4なのでまだまだ安泰とは言えないが、まずまず順調な前半戦だったのではないだろうか。次は4/12にブリスベンでの再戦になるが、ここで勝てばグループ突破も視界に入ってくるはずだ。

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