サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「新戦力が活躍したFC東京が、お疲れの王者鹿島を破る波乱の開幕」J1第1節 鹿島アントラーズ-FC東京

既にゼロックス・スーパーカップ、アジア・チャンピオンズリーグと2試合の公式戦をこなしている昨年のJ1王者鹿島と、大型補強を敢行して早速大久保、永井、林、そしてオランダから復帰の太田を先発起用してきたFC東京という楽しみな開幕戦。

鹿島は4-4-2、東京は4-2-3-1というフォーメーションだが、ともに守備時には4-4-2のコンパクトな3ラインディフェンスで守るチームの対戦らしく、序盤から互いにプレスを掛け合い、ロングボールでプレッシャーを交わす忙しい展開になる。

が、どちらかのペースかと言えばFC東京。前線がサイドに流れて基点を作り、そこから太田、室屋の両SBが絡んでサイドの主導権を握るが、そこから大久保、東の中にいる選手にどう繋ぐかがはっきりせず、なかなか決定機まで持ち込めない。

鹿島の方は、連戦の疲れもあるのか東京ほど高い位置からプレッシャーはかけず、サイドから中へ入り込むダイアゴナルな前線の動きにミドルパスを合わせてカウンターを狙うのだが、新加入のボランチ高萩が鋭い読みでカットして鹿島にチャンスを作らせない。

後半になると若干中盤にスペースが空きだし、東京はCKから東が頭で流して永井が落としたボールを大久保が叩くがボールは大きくクロスバーを越え、その直後には逆に鹿島がカウンターから土居のスルーパスにペドロ・ジュニオールが抜け出しシュートを放つが、これも新加入のGK林がきっちり弾いて互いに決定機を決められず。

東京は前半の飛ばし過ぎがたたったのか、後半20分頃からラインを上げられなくなって前線が孤立、それを見て鹿島は永木、鈴木を投入して一気に試合を決めにかかったのだが、逆に先制点を決めたのはFC東京だった。

そのポイントとなったのは前田の投入。大久保が基点になり切れなかったのに対し、前田はしっかりボールを収めて味方が上がる時間を作り、後半37分の先制点も前田のポストプレイから反転し、ドリブルで持ち込んだところで中島に渡り、中島のミドルを鹿島GKクォン・スンテが弾き、カバーに入った三竿がクリアしきれずオウンゴールになったものだった。

残り時間もあまり鹿島のペースは上がらず、全員で自陣を固めた東京の守備を最後まで崩せず、試合は結局1-0で終了。FC東京にとっては、まだチーム作りとしては道半ばの状態ではあるものの、新加入の選手がきっちり仕事をしての勝利は今後に向けて心強いスタートになったと言えるだろう。

鹿島はさすがにチーム全体がお疲れムード。金崎とペドロ・ジュニオールはタイプが似ていて相乗効果を出せず、サイドの主導権を握られて良い形でのクロスがほとんど上げられなかった。東京に限らず今期のJではどのチームも鹿島を研究して来るのは確実で、ターンオーバーしながら相手をどう上回れるかが問われるところだろう。

モバイルバージョンを終了