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「一人”自分たちのサッカー”でやらかしてしまった原口」ドイツ・ブンデスリーガ第13節 ヴォルフスブルク-ヘルタ・ベルリン

ここ3試合負け無しで、単独3位の座にまで上がってきたヘルタと、今期はなかなか勝ちが続かず15位と低迷しているヴォルフスブルクとの対戦は、前半に2-1でヴォルフスブルクがリードを奪うものの、ヘルタが終盤に2点を取って何とか逆転勝利を飾った。

ヘルタがこの試合で苦しんだ原因は、ヴォルフスブルクがこれまでの4バックじゃなくて3バックに変えて来た事に尽きる。ヘルタはもともとカルーや原口といったウイングの推進力とSBとのコンビネーションでボールを運んで攻撃を作っていたのだが、ヴォルフスブルクはCBのサイドがウイングをマーク、WBがSBをマークするサイドでのマンマークで封じ込めて来た。

こうなると、パスをさばけるボランチが居ないヘルタは一気に厳しくなる。しかも前節のマインツ戦でも2ゴールを挙げて絶好調のイビシェヴィッチが、その試合でイエローを受けてしまっての出場停止、1トップにはシーバーが先発していた事もあり、ヘルタはサイド攻撃だけじゃなくてポストプレイも機能せず、ボールはポゼッションしていたものの完全な手詰まりになってしまった。

原口は、この状況を打開しようとして本来のポジションである右ウイングの位置ではなく、トップ下や左サイドへと移動して相手のマークから逃れようとしたのだが、他の選手が原口に追随しなかったため、単にポジションに穴を開ける羽目になってしまった。カルーもコンビよりは単独突破タイプなので、いわゆる”自分たちのサッカー”をやろうとしても無駄だった。と言うか原口のポジションチェンジはかえって裏目に出てしまい、前半12分と18分にヴォルフスブルクは得点しているのだが、どちらも原口が空けた右サイドのスペースを使われてしまったからであり、直接的では無いにせよ失点の原因になった事は間違いない。

後半14分に原口はエスヴァインと交代したが、原口が前半45分に中央で合わせたシュートをGKにセーブされたのに対し、エスヴァインは後半24分に殊勲の同点ゴールを決めてしまったのも、原口にとっては泣きっ面に蜂となってしまった。もっとも、ヘルタが同点に追いつきロスタイムのPKで逆転出来たのは、単に交代選手の活躍と言うよりも、終盤になってヴォルフスブルクの運動量が落ちて、それまできっちりマーク出来ていたサイドへの対応に遅れが目立ち始めたからであり、原口もピッチに残っていれば結果を出せた可能性は高い。原口は早い時間で交代させられた事について、しっかり反省して次の試合に臨んで欲しい。

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