サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「サウジ戦の”アシスト”が、香川が復活するきっかけになったのかもしれない」UEFAチャンピオンズリーグ グループF ボルシア・ドルトムント-レギア・ワルシャワ

既に決勝トーナメント進出を決めているドルトムントと、逆に敗退が決定している最下位のレギア・ワルシャワという半消化試合。ドルトムントは明確にターンオーバーを敷いて来て、怪我から復帰したロイスを筆頭に、今まであまり出番が無かった香川やシャヒン、パスラックという選手を使って来た。

ドルトムントのフォーメーションは、一応はロイスの1トップに香川がトップ下に入った4-2-3-1だったのだが、攻撃時にはウイングのデンベレとプリシッチが中に絞り、とSBのパスラックとローデが同時にトップの位置に上がる2-2-5-1のような極端な前がかりの形になっていた。

しかもバルトラとギンターのCBは前節のバイエルン戦での激闘を戦ってのミッドウィークとあってか、明らかに集中力に欠けるというか楽に守ろうとする姿勢が見え見えで、いきなり前半10分にマークに行ったバルトラが弾き飛ばされ、ギンターがシュートコースに入ったのをあざ笑うかのようにアウトにかけたシュートを決められて失点してしまう。

その悪いリズムを救ったのは香川で、おそらく結果的にスルーがアシストとなったサウジ戦の原口のゴールで何か吹っ切れたのだろう、それまでひたすら足元でボールをもらおうとしては、いざボールが来たらプレイに迷って足元でこねている間に寄せられて終わりになっていたのが、どんどん動き回って動きの中でボールを受けてすぐに捌き、また動き直してボールを受けるという、かつて好調だった時のプレイがすっかり蘇っていた。

17分のゴールも、デンベレのダイレクトクロスを完全に予期して動き出したから飛び出しのヘディングが決まったわけだし、その直後の2点目も、最初はトラップに失敗して足元に入ってしまったのだが、すぐに持ち替えてGKの逆を取るシュートと、失敗を恐れず積極的に先を取って動く、良い意味で考えすぎない本能的なプレイが出ていたように思う。まあだいたい香川は変に考えたり何かを背負い込むとダメになるよね(笑)。

その後は、相手GKのクリアミスとは言えシャヒンにもゴールが生まれ、結果的には復帰のロイスがハットトリックを決めるなどドルトムントは合計8得点。ただし守備は最後まで怪しくて、2バックでカウンターを受けたらひたすら守備陣は右往左往。後半25分にオーバメヤンが入ってからは何と香川とカストロのダブルボランチにするというザルの確信犯。結果的にはワルシャワに4点を取られたのだが、もっと点を入れられてもおかしくない数のピンチがあり、何も出来ないGKのヴァイデンフェラーが本当に気の毒だった(苦笑)。

ただ相手が相手とは言え、香川、ロイスに複数得点が生まれ、シャヒンも守備はアレだったが随所で彼らしい鋭い縦パスを連発し、控え組のコンディションが上がって確実に層が厚くなりつつある。あのバイエルンにいつもの強さが無い今期であれば、リーグとチャンピオンズリーグの二兎が追えるかもしれないね。

モバイルバージョンを終了