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「ケルンに不思議の勝ちをもたらす、便利屋大迫の存在感」ドイツ・ブンデスリーガ第11節 ボルシアMG-ケルン

一応リーグ戦の順位では11位と6位でケルンのほうが上位に付けているわけだが、チャンピオンズリーグに出ている影響で下位に留まっているとは言え、ボルシアMGの底力をまざまざと感じさせる試合であった。

ボルシアMGのフォーメーションは3-4-1-2。表記上は、中田がいた頃のペルージャのように、2トップの下にトップ下を置いたクラシカルな並びではあるが、ボルシアMGの場合は現代サッカーらしくもっと攻撃的に先鋭化されている。2トップの左にいるラファエルが偽トップ下のようになってポストでケルンのDFラインを引きつけ、その裏を狙ってアザール、シュティンドルがどんどん飛び出し、そこに右WBのトラオレが加わって右サイドを完全に蹂躙、前半5分のGKと1対1になったアザールのシュートなど、ケルンは試合開始から完全に防戦一方になってしまう。

そんな中で、代表戦から戻って早速先発出場した大迫は、少ないながらもボールが来れば確実にポストプレイで繋いでモデストに縦パスを出すなど存在感を見せるものの、前半唯一と言って良い24分のモデストのシュートは枠を外れて得点ならず。大迫自身も、197cmの高さがある巨漢DFヴェスターゴーアの激しいマークを受け、2度も腰にアタックされてピッチに倒れ込んでからは運動量がガタッと落ちてしまった。

そして31分に、右でのアザールとシュティンドルのパス交換から右サイドへ展開され、右WBのヴェントから左WBのトラオレにクロス、折り返しをフリーになっていたシュティンドルに押し込まれ、攻撃的な3バックらしい両WBをワイドに使った攻めに耐えきれず先制点を許してしまう。その後もケルンはイエローカードを立て続けに3枚ももらうなどギリギリの戦いを強いられるが、何とか前半は1失点で耐えきって折り返す。

後半になると、さすがに前半飛ばし過ぎた影響が出たのかボルシアMGのプレッシャーが弱まり、ルドニェフスを加えた2トップの4-3-1-2にフォーメーション変更して、大迫をトップ下に置いたケルンが中盤でボールが持てるようになる。すると14分に、中央で大迫も絡んでのパス交換から、左SBのハインツがアーリークロス、これをヴェスターゴーアとモデストがヘディングで競り合い、ヴェスターゴーアが先にボールを触るがモデストの頭に跳ね返ってゴールに飛び込むラッキーなゴールが決まってケルンが同点に追いつく。

ケルンは大迫に代えてエズカンを入れて活性化を図るが、やはり大迫に比べるとボールを上手く落ち着かせられず、ボルシアMGの猛攻を浴びるが何とかGKケスラーがファインセーブで乗り切り、ケルンにとっては何とかドローで終われるかと思ったロスタイムに、ゴールまで30mはあった長いFKを得ると、リーセが無回転で蹴ったボールが鋭く変化してゴールに飛び込み、終始劣勢だったケルンがまさかの逆転勝利を飾った。

大迫はいかにも体が重そうだったし、後ろからは適当なボールしか飛んでこないし、ヴェスターゴーアに痛めつけられて踏んだり蹴ったりではあったが、後半の同点に繋がったトップ下のポジションチェンジにしても、そこに大迫を置けばボールが落ち着く代えの効かない存在である事を証明したかなと。つーか、ケルンは大迫に良いパスをくれる清武を取るべきだよね(笑)。まあ次は万全な状態に戻してもらって、今度こそ得点という結果を期待したい。

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