サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「ジーコジャパンのアジアカップを思い出す、実感なき日本の初優勝」AFC U-19選手権 決勝 日本-サウジアラビア

結果だけを見れば、日本としては初のU-19アジア選手権優勝という快挙ではあるが、決定機の数は明らかにサウジの方が多かったし、日本はとても優勝という名にふさわしい内容のサッカーをやっていたとは言えなかった。

ぶっちゃけ、昨日は頑張って深夜まで起きて生中継を見ていたんだけど、延長まで突入したら明日がしんどくなるから、負けろとはさすがに思わないけども、どうせ負けるなら90分のうちに負けてくれと思ったぐらい、見ていて残念な気持ちになってしまったのが正直なところである。

その最も大きな理由は、相手が今までに対戦したチームよりもはるかに強く、主審がイラクとの試合で2つのPKをサウジに与えたカタール人審判で判定が明らかにサウジ寄りだったというエクスキューズがあったとは言え、ベトナム戦で出来ていたはずのビルドアップが見事に消し飛んでおり、非常に閉塞感が漂う攻撃になってしまった事に尽きる。

ボランチの1枚が下がってSBが上がるという、今では半ば常識になっている4-4-2のビルドアップがベトナム戦で出来るようになった理由として、半分冗談で坂井がいなくなったからと書いたのだが、サウジ戦ではベトナム戦以前の、2人のボランチが相手のFWがとボランチの間でフワフワと漂うだけで全くボールを受けに行かないプレイが復活していて、まさかそれが本当にそうだったとはさすがに驚いてしまった(苦笑)。

日本のビルドアップがCBとSBだけで行われているので、SBがなかなか高い位置に上がれずSHとの距離が離れてしまい、堂安と三好がパスを受けても孤立してマークが剥がせず、結局そこで攻撃がストップする結果になってしまった。三好の怪我で出場した遠藤は、パスを受けてからのスピードアップは良かったが、そこからの判断や精度が残念で、結局日本の強みであるサイド攻撃は最後まで機能しなかった。選手個人の出来も良くなかったが、根本的には日本のビルドアップ不全が元凶だ。SBが高い位置を取れない分、CBからSHへのグラウンダーの縦パスや、小川がポストに下がる動きで何とか攻撃を組み立てていたが、ちゃんとボランチがビルドアップに参加できていればやらなくても良いはずの苦労である。

ただ、試合の序盤は坂井の代わりにボールを受けに行く動きを見せていた市丸が、試合が進むに連れて坂井と同じように埋没してしまったところを見ると、実はボールを受けに行かないのは個人の判断ではなくて内山監督の指示ではないかという気がしている。そう考えると坂井はちょっと気の毒なのかもしれないが、どちらにせよボールを受けない、パスを前に出せない、ボールを奪う守備が出来ない選手をボランチで起用するのは明らかに間違っている。

まあ間違いなく内山監督のままでU-19W杯に臨むのだろうが、ジーコジャパンがアジアカップで苦戦の果てに優勝して首が繋がってしまい、そのままドイツW杯へ突入して撃沈してしまった記憶がどうしても蘇ってしまう。もし本当にサウジ戦のビルドアップが監督の指示通りであるなら、今度こそは「自分たちのサッカー」を発揮すべきときではないかと思うのだが・・・(笑)

モバイルバージョンを終了