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「昨シーズンのレスターを半分蘇らせた岡崎の働き」イングランド・プレミアリーグ第10節 トットナム・ホットスパー-レスター・シティ

プレミアリーグのディフェンディング・チャンピオンでありながら、現在12位と下位に沈んでいるレスターが、5位と好調なスパースのホームに乗り込んでの対戦。岡崎は前節のクリスタル・パレス戦に続いてヴァーディとの2トップで先発。

試合は序盤こそレスターが積極的な立ち上がりを見せたものの、スパーズがすぐにペースを握り返す。レスターはカンテがいない事で中盤でのボール奪取力が落ちて、なかなか高い位置でボールを奪い返してのショートカウンターが出せなくなっている事については散々書かれている通りだが、この試合ではもう1つの問題点が浮き彫りにされていた。

それはレスターのサイド攻撃が機能しなくなっている点である。特に、昨シーズン猛威を奮ってプレミアリーグのMVPを獲得したマフレズが研究されている事が大きい。中盤でボールを奪えないのでマフレズの攻撃のスタート位置が低くなっている上に、この試合ではスパーズ左SBグレイの厳しいマークを受け、フリーな状態でボールを蹴れた場面は前半の33分に岡崎へ放ったピンポイントのクロスぐらいで、後は完全に存在を消されていた。

エースのヴァーディも昨シーズンのようなキレを見せられず苦しい状況のレスターを救ったのは、岡崎とムサの存在だった。岡崎は前線でプレスをかけたと思ったら中盤に下がって正確にパスを繋ぎ、シュートの場面はヘディングの1本のみだったがマフレズが機能しない状態でレスター唯一のリンクマンとして存在感を発揮した。そしてムサは、左サイドのみならずボールのファーサイドからセンターにも飛び込む動きで、中盤に下がる岡崎の代わりにヴァーディをサポートしていた。

それを象徴したのが後半3分の同点ゴールで、スパーズのワニャマが岡崎のプレスを受けてバックパスをすると、それがヴァーディへのスルーパスになってしまい、右サイドでマークを受けながら出したクロスに最後は中へ飛び込んだムサが押し込んだ。前半の終わりにPKを与えて嫌なムードが漂っていただけに、大きくチームのムードを変える得点だった。

その後は当然スパーズが圧力を強めて来たものの、3度も当たったクロスバーにも助けられてレスターは粘り強く守り、疲れた岡崎が後半33分にウジョアと交代すると、逆にウジョアへのロングボールを基点にレスターが盛り返し、45分にはウジョアが決定的なヘディングを放つも枠外へ。結局そのまま試合は1-1で終了した。

レスターは、今期はここまで全敗だったアウェイ戦でようやく勝ち点を獲得した事はもちろんだが、ようやく内容的にアウェイでも粘り強く戦う、ベストではないにしても本来のレスターらしい姿を見せられた事は、サポーターにとっても嬉しかったのではないだろうか。この分なら、チャンピオンズリーグでの岡崎先発起用も十分ありそうだ。

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