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「U-19日本代表は、試合ごとに養成ギブスを外す決まり事でもあるんだろうか」AFC U-19選手権 準決勝 日本-ベトナム

一応は北朝鮮とバーレーンを破って準決勝に進んで来たベトナムに対して、日本はU-20W杯出場権を獲得してきたとは言え、タジキスタン戦の先発から10人を変えるという舐めプレイをしてしまったのだが、蓋を開けてみれば3-0で勝利とあっけない結果になってしまった。

もっともそれは、前半の6分に市丸のFKを折り返したところでフリーになっていた岸本が合わせ、10分にも初瀬のFKをベトナムGKが弾いたボールのこぼれ球を最後は中村駿太が押し込むなど、序盤にセットプレイからサクッと2点が入ってしまい、試合展開としてはかなり楽な流れになった事が大きいが、今大会通じてずっと日本の課題であったビルドアップが、何故かいきなり改善された事も見逃せないポイントだった。

今までの日本は、ボランチが横並びのまま相手のラインの間に埋もれ、CBからのパスを受けられないポジショニングを取っていたのだが、ベトナム戦では市丸と原が交互に下がって縦関係になり、アンカーを経由したビルドアップから高く上がったSBへとスムーズにパスが繋がっていた。特に左サイドは、SHの長沼が中に入って出来たスペースに初瀬が上がって並ぶような形になり、ベトナムの4-4-2に対して常に数的優位を保てていた。

まさにこれは、ここでも散々口酸っぱく言っていた4-4-2のゾーン・ディフェンスでポゼッションを行うセオリー的な形で、何故大会5試合目にして突然これが出来るようになったのか不思議でしょうがない。監督の指導がやっとこさ形になったのか、選手が自分たちの発想で変更したのか、それともボランチから坂井が外れた事が原因だったのかは分からないが、そのおかげで今までとは比較的にならないぐらいに攻撃がスムーズになっていたのは間違いない。

もっとも、2点目を決めた後は何度もチャンスがあったのにラストプレイがなかなか決まらず、結局追加点は相手の2度のクリアミスによって決まった後半7分のラッキーな3点目だけだったし、ビルドアップは良かったけどアタッキングサードでのパスにはミスが多かったし、完全ターンオーバーなメンバーとは言え、日本の反省点は少なくない。決勝の相手は、6-5のバカ試合とは言え、日本が1点も取れなかったイランから大量得点を決めたサウジだけに、つまらないミスは即失点につながってしまうだろう。

それにしても、日本は1試合ごとに養成ギブスを外す決まり事でもあるんだろうかというぐらい、初戦からどんどん試合内容が向上して行っているんだけど、誰か記者がその変異の理由を聞いてくれないかな(笑)。つーか、大会前の練習でいったいどんな戦術練習をしていたのか不思議なんだが・・・まあ相手に恵まれたとは言え、散々ダメっぽいと言われ続けていたU-19代表が、何だかんだで決勝にまでたどり着けた事を今は素直に喜んでおこうか(笑)。

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