ここまでリーグ戦が2位と4位という好調同士の対戦となった注目の一戦、ヘルタ対ケルン。ここまでチームを牽引している原口と大迫ももちろん先発メンバーに名を連ねた。
フォーメーション的には4-2-3-1と4-4-2という違いはあるが、どちらも守備時には完成度の高い4-4-2のコンパクトな3ラインゾーン・ディフェンスを敷いて来るので、前半はともにシュート数の少ないソリッドな内容で展開されたが、ストライカーの決定力の差で試合が動く。
前半5分に右サイドのクロスを大迫が待ち構えてダイレクトでシュートを放つも、ボールが深く当たりすぎてニアへ大きく外してしまう。逆にヘルタのイビシェヴィッチは、8分に原口の突破からの折り返しをピタリとトラップ、反転からのシュートはケルンGKホルンのナイスセーブに阻まれたものの、13分にはヴァイザーのドリブルからのクロスを今度はコースに決めてヘルタが先制する。
イビシェヴィッチと大迫のシュートシーンを比べてみると、イビシェヴィッチはトラップもシュートも全く体の軸がブレていないんだけど、大迫は足に体重を乗せるためなのか微妙に傾いているんだよね。大迫は前半で怪我のため退いてしまったけど、狭いスペースでしっかりポストプレイが出来ていただけに、もうちょっと体幹のパワーが付けば化けられるんじゃないかと期待している。
その大迫を欠いた後半のケルンは、前線での基点が不足してヘルタの攻勢を受けるようになり、原口も何度か鋭いドリブル突破でチャンスを作るが、せっかくのフリーで打てたシュートを大きく外してしまい、その後は疲れも出たのかあまり目立たなくなってしまった。ボールを持ってからの推進力、スピードはロッベンを思わせるぐらいの迫力はあるんだけど、ここから上のキャリアを狙うには、やはりロッベンのような切り替えしてからのシュートという武器が欲しいところだ。
ヘルタの圧力に耐え忍んでいたケルンは、後半20分に左サイドでのコンビネーションからツォラーがクロス、これをGKヤーステインが弾いたボールがモデストの前に転がり、難なく押し込んでヘルタがワンチャンスで同点に追いつく。が、ヘルタは後半29分にFKのチャンスを得ると、ファーサイドの折り返しにケルンの選手が釣られてしまい、ニアにヘルタの選手4人がどフリーという珍プレイのようなゴールが決まって再びリード。
ケルンは終盤に決定機を2度作るがゴールポストとGKの好セーブに阻まれ、さらにはロスタイムにケルンのルドニェフスがゴールを揺らすも、その前のプレイでファールと判定されノーゴールで試合終了。ブンデスリーガ上位チームらしい、互いに拮抗したナイスゲームだったが、決定力の差で明暗が付いた試合であった。