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「変なクスリを飲んでしまったかのような、U-19日本の変貌ぶり」AFC U-19選手権 グループC 日本-カタール

日本はグループ首位ながらも、この試合で負けもしくは0-0の引き分けだった場合には3位以下で終わる可能性があった、カタール相手のグループリーグ最終戦。

今までの内容からするとかなり危機感を覚えた試合前だったが、ボランチに市丸を入れた効果もあったのか、日本は序盤から前に行こうという全体的な勢いがあり、特に守備から攻撃に切り替わった時は、これまでだとまずバックパスをして攻撃のセット(?)をし直してからゆっくり攻めるばかりだったのが、小川が縦に走ったコースに出したパスを相手がクリアミスしたところを岩崎が押し込んだ前半14分の先制点が示すように、すぐさま前線へとボールを運ぶようになっていたのには、ヴァイグルの爪の垢じゃないだろうが、何か変なクスリでも飲んだんじゃないかと驚いてしまった。

もっともそれはカタールの守備にも助けられた面があり、監督はスペイン人らしいのだが何故かゾーン・ディフェンスじゃなくて3-4-3のマンマーク守備になっていて、それもあまりコンパクトじゃないために日本が早くカタールのDFラインへとボールを入れると、WBや中盤の選手の戻りが間に合わず、後追いのような形になってDFラインに吸収され、セカンドボールをまた日本に拾われるという流れを繰り返していた。確かにかつての中東は、こういうアバウトなマンマーク守備だったよなと懐かしく思ってしまったぐらいだ。

ただ試合の中では危ない時間帯があって、普通ならシュートのコースにいて少しボールに反応しても、GKの直接的な邪魔にならず、コース的にも明らかにGKが取れないものだったら認められるはずのシーンで、中山のヘディングに対して堂安がオフサイドと判定される謎の判定があった後、カタールのロングボールからセカンドボールを拾われてシュートを打たれた場面は、もし決まっていたらムード的に怪しくなっていたところだった。

それだけに、前半終了間際にCKからのクリアボールを三好がダイレクトボレーで決めたスーペルゴラッソが決まったのは、カタールに3点が必要になった事はもちろんだが、余裕を持った状態で後半に入れるという意味でも大きかった。そして後半17分に、小川のヘディングがゴールポストに当たったこぼれ球を富安が落ち着いて蹴り込み3点目。これで勝負は完全に決まり、日本は合計勝ち点7を獲得してグループを首位で通過する事になった。

U-20W杯出場がかかる準々決勝は、今日最終戦が行われるグループDの2位通過のチームになり、ウズベキスタンのグループ1位が既に決まっているため、2位の可能性が残るオーストラリアかタジキスタンとの対戦になる。エースの小川がチャンスにことごとく決められてないのは気がかりだが、カタール戦のメンバーと戦い方がそのまま続けられるようなら勝てる可能性は大きいと思う。相手がコンパクトなゾーン・ディフェンスであっても、臆せず前にどんどん攻めるサッカーを見せて欲しい。

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