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「大迫がバイエルンのノイアーを打ち破った幻の瞬間」ドイツ・ブンデスリーガ第6節 バイエルン・ミュンヘン-1FCケルン

ここまでリーグ戦はともに負け無しで、首位と3位に付けている好調同士の対戦となったバイエルン対ケルンの試合。今シーズンは順調なスタートを切った大迫ももちろんスタメンで出場。

バイエルンのフォーメーションは4-3-3で、攻撃時にはSBが両サイドの高い位置に張った2-3-4-1のような形になり、ウイングのロッベンとコマンがSBが広げたスペースを使ってドリブルで切り込み、そこからクロスを上げたり中央に繋いだりという強力な攻撃力を展開し、試合の序盤からケルンを圧倒する。

グアルディオラ監督からアンチェロッティ監督へと交代した事で、どれだけバイエルンの戦術が変わったのかなと思ったが、ペップほど相手や状況によってフォーメーションをコロコロ変える事はないものの、アンチェロッティらしく以前のサッカースタイルのベースを崩さず選手を上手くローテーションさせている。

普通のチームだったら、バイエルンの圧力にあっさり負けてすぐに失点するところだろうが、ここまで5試合で3失点のケルンは非常に粘り強い守備を見せて対抗する。ケルンのフォーメーションは5-3-1-1で、5バックにする事でSBを使ってワイドに攻めるバイエルンの攻撃に対して、WBとインサイドハーフの2枚でサイドに対応して数的優位を作らせず、大迫は常時シャビ・アロンソを見て彼に入るボール、出るボールを遮断して二次攻撃に備えるというプランを忠実に遂行する。

しかし前半40分にベルナトがサイドでの1対1を突破、カバーのためにケルンCBが出てきたニアのスペースにキミッヒが飛び込み、そこにピンポイントのクロスが渡ってバイエルンがとうとう先制。その後もCKからハビ・マルティネスのヘディングがポストに当たるなどさらにバイエルンがケルンを攻め立てたが、何とかケルンは切り抜けて前半を終了する。

後半からはロッベンに代えて右ウイングにミュラーが投入され、バイエルンはWBのマークを受けるコマンでは無くインサイドハーフのレナト・サンチェスが左サイドをドリブルで突破、中でミュラーが待ち受けるという攻撃シフトに切り替え、ケルンはしばらくそれに対応できずピンチの場面が連発、これは2失点目も時間の問題かと思われたのだが、徐々に大迫の正確なポストプレイでリズムを掴み始めると、18分に右サイドからのクロスにオフサイドギリギリで抜け出したモデストが足で触ると、それがノイアーの逆を取った形になって同点ゴール。

そこからニワカにケルンがイケイケになって、大迫やモデストがポストからカウンターの流れでゴール前に迫るが、大迫が中へ切れ込んでトラップからシュートを決めた場面は惜しくもオフサイドになるなど逆転ならず。バイエルンも、ミュラーがゴール前でドフリーで放ったシュートがGKの手にあたり、さらにポストとバーに当たって跳ね返るという運の無さでゴールが決まらず、試合はそのまま1-1のドローで終了した。

大迫はビルト誌の採点で両チームトップタイの2という評価をもらったが、前半はバイエルンDFの早い潰しに苦しんだものの、後半は上手くスペースを見つけてボールを裁き、前線の基点となってケルンの攻撃を牽引した。低評価だった昨シーズンと比べると、まず味方の信頼を得てボールが集まって来るのはもちろんだが、自信が出てきたせいもあるのだろうが、プレイに迷いが無くなって視野が広くなり、周りを上手く使えるようになっている。そしてそれがさらにボールを集めるという好循環が生まれている。

もうちょっと全体的にパワーがあればとは思うが、課題だった人を背負ったポストプレイでも上手く体を預けてキープできているし、相手から50cmも離れていればそこから体を当てられる前にボールを捌けているし、地道に向上している点は心強い。次こそはA代表に選出して欲しいところだ。

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