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「原口の損な役割は、パルマ時代の中田英寿とかぶっている」ドイツ・ブンデスリーガ第6節 ヘルタ・ベルリン-HSV

昨日は蒸し暑い中、地区の運動会に駆り出されてしまって夜はヘトヘトで時折値落ちしながら見ていたので簡単に。

リーグ戦4連敗でラッバディア監督が更迭されてギズドル新監督になったHSVをホームに迎えたヘルタ。序盤は、シンプルに2トップへとボールを放り込んで来るHSVに2度ほど決定機を作られてしまったが、相手の決定力不足によって助けられるとその後はヘルタが試合をコントロール。

前半29分に、エスヴァインのミドルシュートが相手に当たってコースが変わり、イビシェヴィッチがストライカーらしい反応でそれを上手くトラップ、次のステップでシュートを決めて、前日に娘が誕生した祝いを自らのゆりかごパフォーマンスで飾ってみせる。さらに後半25分にも、怪しい判定だったがヘルタがPKを得ると、イビシェヴィッチがど真ん中に蹴り込んで2点目、その後はヘルタが入れるだけの決定機を2度ほどフイにはしてしまったが、安定した試合運びでキッチリ逃げ切り、2試合ぶりの勝利を飾った。

原口については、前半19分にCKからの流れでポストに当てる強烈なミドルシュートを放った以外はあまりボールに絡む事は無かった。原口の話では、左SBのブルックスがいないと縦にパスが入ってこないと語っていたが、HSV戦の後半は右サイドハーフになっていたにも関わらずボールが来なかったので、単にそれだけが理由ではないように思う。

こういうパターンを見ていて思い出すのは、パルマで右サイドをやっていた時の中田英寿である。その時のパルマは、攻撃については当時全盛期だったアドリアーノとムトゥが好き勝手やっていて、中田の役割はひたすら右サイドを上下するだけでボールが来ることは少なかった。だからと言ってそれが意味なかったわけではなく、しっかり守備に戻ってスペースを消すことで相手はそっちのサイドにボールが送れなくなり、また攻撃時には前に出る事で相手の守備を引き付けるという、チーム戦術的には必要な働きをしていたわけだ。

そうなると、当然の副作用として味方も相手もそのサイドでのプレイ回数が少なくなるわけで、本人的にはフラストレーションが溜まってしまう。特に日本人選手の場合は、生真面目で馬鹿正直に毎度走ってしまうので、結局疲れてプレイ精度も落ちてしまいがちになる。原口も、時にはサボって前残りをする事で攻撃に絡む回数を増やす、良い意味でのマリーシアを身につける必要があるだろう。

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