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「川崎の2ndステージ優勝の望みを断ち切った、ネルシーニョ監督の策略」J1 2ndステージ第14節 ヴィッセル神戸-川崎フロンターレ

2ndステージ首位の浦和が今節で勝利したため、負けた方が事実上の優勝争いからの脱落を意味する2位の川崎と4位の神戸とのサドンデスマッチは、意外にも神戸が3-0で圧勝、これで川崎は年間総合順位の座から滑り落ちると同時に、浦和から残り3試合で勝ち点6差となる痛い敗戦になってしまった。

とは言え、内容的にそこまで大きな差があったわけではなく、試合開始直後に小林悠がDFラインを突破してGKと1対1になったシュートを始め、前半24分にあった大久保の決定機のどちらかが決まっていれば、試合のペースは川崎が握っていたはずだ。しかし、その直後に神戸はカウンターから渡邉千真がGKのニアを抜く難しいシュートを決めた事で、神戸はよりカウンター狙いの形が嵌ってしまった。

神戸のフォーメーションは4-4-2だが、4バックはある程度ラインを形作るものの、中盤はかなりマンマーク気味になっていた。これで、中村憲剛や大久保、大島らが自由にポジションを変えて攻める川崎のパスワークを寸断させ、川崎の攻撃を上手くスローダウンさせていた。この辺は、さすがネルシーニョ監督らしい策である。

逆に川崎のほうは、守備の場面では一応3-4のゾーンを組んで迎え撃つのだが、例の”自分たちのサッカー”と同様にあまりにも攻撃時に人数をかけてポジションを崩すために、カウンターの場面であっけなく人に振り回され、簡単にフリーな選手を作ってしまっていた。後半30分に森本を入れて4バックにフォーメーションを変更したが、正直あまり狙いが良く分からない策で、逆にレアンドロの2得点目となる技ありシュートを決められて万事休す。

 

神戸は、外国人選手以外は皆大人しい選手ばかりという印象があったが、今はそこを藤田直之がガッツのあるプレイで上手く補完しているなと感じた。それだけに、次節の仙台戦で出場停止になってしまうのは痛い。正直なところ優勝は厳しいが、何とかここを乗り越えて最終節まで可能性を持ちたいところ。川崎は、表向きはまだ可能性は残しているが、実質的にはチャンピオンシップに目標を切り替えるべきタイミング。さてこれから風間監督はどういう起用をするかな?

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