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「レスターの試合で岡崎が起用されないのは、間違いなく戦術的な理由」UEFAチャンピオンズリーグ グループG レスター・シティ-ポルト

リーグカップのチェルシー戦で2得点を挙げながらも、まともチャンピオンズリーグで出場機会が無かった岡崎。そのポルト戦ではライバルであるスリマニが決勝ゴールを決める活躍を見せたために、さらに厳しい状況に追い込まれてしまった。

以前に、岡崎がラニエリに起用されなくなった理由として、ミドルシュートを打った事ではないかと語っていたが、やはりこの試合を見た限りではそれ以上に戦術的な理由が大きいのではないかと思っている。

対戦相手のポルトはフォーメーションは4-3-3ではあるが、中盤から前の選手は比較的流動的なポジションを取り、パスを繋いでサイドを中心に攻撃して来るチームだが、前半に放った4本のシュートは全て枠外で、レスターが作る4-4ゾーンをほとんど崩しきれていなかった。この強固なゾーンこそが、岡崎にとっては逆に問題となっているのだ。

昨シーズンまでのレスターであれば、カンテやマフレズがもっとダイナミックに動き回って、そのスペースを岡崎が守備で埋めてバランスを取り、攻撃では岡崎がトップ下でポストプレイをしたり前線に飛び出したりと基点を作る動きで、レスターのサッカーにとって欠かせない歯車になっていた。

しかし今シーズンのレスターは、まず守備で4-4のゾーンを固める事が最優先になっているので攻撃に人数をかける事が出来ない。従って、FWはとにかくロングボールを収めたりヘディングで勝って、中盤の選手が押し上げられる時間を作ったり、単独でクロスを得点に出来る能力が求められている。

この試合では、終盤にポルトに押し込まれて何度もピンチを迎えたが、かと言って前線に岡崎を投入しても、苦しいボールを収める事が出来るわけではないので、かえってリスクを高める事になりかねない。特にイタリア人監督のラニエリにとってはやりにくい選択である。

オルブライトンからのサイドチェンジからマフレズが挙げたクロスを、ニアのヴァーディが潰れて裏のスリマニが押し込んだ決勝点こそが、今のラニエリが求めている形なのだろう。つまり、今のレスターにとって岡崎のライバルになっているのは、スリマニじゃなくてヴァーディなのである。しかしそこにも、裏にはスピードがあるムサがサブに控えている。これは非常に厳しい。

カンテの離脱によって守備力が落ちるため、さらに岡崎の守備力が求められるのではないかというシーズン前の希望的観測とは、全く逆の形になってしまったのは皮肉と言うしか無い。ラニエリが、昨シーズンのプランAを復帰させるつもりが無ければ、本人の調子に関わらず、このまま岡崎の出番は減ったままになってしまうのではないだろうか。

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