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「酒井宏樹は、移籍先がマルセイユで本当に良かったんだろうか」フランス・リーグアン第3節 オリンピック・マルセイユ-ロリアン

松井のルマン時代から久々に、DAZNで見逃し配信をやっていたリーグアンのマルセイユ対ロリアンの試合を見てみた。そのまず第一印象としては、やっぱルマンの試合を見ていた時からリーグアンのサッカーは変わってないなと言う点。

フランス代表を見ていれば分かる事だが、今やサッカーのフランス人選手と言えばコートジボワールやセネガル、ガーナといった元フランスの植民地である西アフリカ諸国からの移民出身の黒人選手がほとんどで、やっているサッカーはそのまんまアフリカンスタイルである事が多い。

つまり、ディフェンスはゾーンがベースだけどあまり高い位置からのプレスや、ディアゴナーレと呼ばれる守備のポジションシフトはせずに、ボールを待ち構えて長いリーチと1対1のフィジカル、スピードでボールを奪うスタイルで、攻撃はとにかくサイドにボールと選手を走らせて、ウイングが1対1でドリブル突破からクロスを上げるかそのままシュートを打つという、戦術ファンとしては正直面白みがないチームばかりである。

酒井宏樹は右SBとして出場していたのだが、リーグアンのサッカースタイルが上記のような状況なので、正直SBにはあまりオーバーラップや攻撃参加が求められておらず、サイドのゾーンを守って相手のウイングに1対1で負けなければOKという空気感が漂っていた。が、それでも酒井は健気にオーバーラップをしていて、大半は囮として使われて内側の味方にシュートを打たれるだけだったが、アシスト未遂になったものなど2本ほど良いクロスを通していて、存在感はそこそこあったかなと。

そして右CBの久保ちゃんならぬフボチャンは、スロバキア出身だけあってゾーン・ディフェンスのカバーリングに理解があり、酒井が上がった後のスペースをしっかりカバーしてくれており、一度酒井がオーバーラップした後にボールを取られてカウンターを食らう場面があったが、フボチャンがスライディングでクリアしてくれて助かった場面があったが、これが戦術理解度が低い選手だったら悲惨な事になっていただろう。

試合の方は、前半はホームのマルセイユが優勢でペースを握り、19分にカベラがゴールやや左から直接FKを決めて先制するも、後半は1トップのゴミスが守備をしなくて中盤でプレスがかからず、すっかりロリアンに押し込まれてしまうが、それでもマルセイユの岡崎と呼べるカベラが中盤でボールを繋いで何とか持ちこたえ、なかなかチャンスにシュートを決められなかったゴミスが後半25分にカウンターからフェイトを交えたドリブルで突破すると、そのままシュートを決めて2点目。これで試合は決まってしまった。

酒井は環境を変えたくてマルセイユにやって来たわけだが、黒人選手のスピードとフィジカル勝負では鍛えられそうだけど、攻撃でのプレイ回数は数えるほどだし、戦術的な不毛度はあまりハノーファーと変わってないし、リーグアンのファンの皆さんには申し訳ないが、これが彼のレベルアップに繋がるかどうかは正直疑問だな・・・とりあえずPSG戦だけは楽しみだけどね。

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