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「原口のMOMは、劇的な勝利に対する単なるご褒美?」ドイツ・ブンデスリーガ第1節 ヘルタ・ベルリン-フライブルク

昨シーズンは終盤までチャンピオンズリーグ争いをしていたものの、ラスト7試合で1勝も出来ず大失速、結局ヨーロッパリーグ圏内ギリギリの7位で終わったヘルタ・ベルリン。開幕戦はホームで2シーズンぶりの昇格になったフライブルクとの対戦。

フライブルクは4-4-2のフォーメーションで、自陣に4-4のコンパクトなゾーンを置いて、2トップはヘルタのボランチにだけプレスをかけるという完全に待ち受ける守備を取って来た。対するヘルタは、昨シーズンと同じ4-2-3-1で、SBを高く上げてボランチが1枚下がってビルドアップに参加する、今時のポゼッションスタイルで圧倒的にボールを保持する序盤の形。

しかしヘルタは、前線の4人にボールが入るとすぐさま寄せてボールを奪いに来るフライブルクの前に縦パスがほとんど出せず、たまにトップへ入ったかと思ったら全てミス、仕方なくサイドにパスを回すのだが、原口とヴァイザーのウイングが縦を切られている上に、ドルトムントのようにSBをオーバーラップさせる事も無いので、結局またバックパスでDFにボールを戻る永久機関。

22分頃の給水タイムが終わるぐらいから少しずつ試合が動き出す。ヘルタは縦パスを諦めて1トップのイビシェヴィッチに中盤を飛ばして長いボールを当てるようになり、フライブルクも徐々に前へのプレスを強めて来る。が、相変わらずヘルタの選手にはミスが多く、カウンターから最後はフリーになった選手が至近距離からシュートを放つも、必死のスライディングで何とかコースを変えて失点を免れる際どいシーンを作ってしまう。

ところが、後半10分頃から突然フライブルクの足が止まり、プレスの寄せが甘くなって中央にDFが固まってしまい、サイドにスペースが出来て原口が前を向いてボールを持てるようになり、中もボランチがラインに吸収されて5バックのようになっているため、セカンドボールもヘルタが支配し始める。すると17分に、左サイドに張ってボールを受けた原口がドリブルからクサビを入れると、イビシェヴィッチからのリターンを受けたダリダが相手を交わしてゴールを決めてしまう。

その後もヘルタが攻勢を続けるも追加点はなかなか決まらず、しかし時間もどんどん過ぎてロスタイムに入り、これでヘルタが逃げ切るかと思われた後半48分に、何とCKからフライブルクが同点に追いついてしまう。が、ドラマはここでは終わらなかった。5分のロスタイムが過ぎようかという時に、中央でボールを受けた原口が強引にミドルを放つと、ボールがフライブルクの選手に当たって左にいたシーバーの前に転がり、シーバーが放ったシュートが一度は相手に当たったものの、そのこぼれ球を拾って今度こそゴールに流し込み、ヘルタが劇的な勝ち越し点を決めて開幕戦を2-1で勝利した。

正直、勝ったから良いようなものの何度も危険なカウンターを食らってしまい、何とか相手の決定力不足とギリギリの守備で持ちこたえていたわけで、今度のUAE戦がこんな内容になったら心臓が持たないなと脂汗をかくような内容だった(苦笑)。原口は2点に絡んでKicker誌のMOMに選ばれたそうだが、勝った方から選ぶと消去法で原口になった感じで、暑い中良く走って働いてはいたけど、チームも個人もまだまだやらなければならない事が多いのは確か。本田がミランで出番を失っているだけに、代表戦で出場する可能性は十分ありそうだが、この試合を反面教師として活かして欲しい。

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