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「清武も驚く清水エスパルスのパス回し」日本クラブユース選手権U-15 清水エスパルス・ジュニアユース-JFAアカデミー福島U-15

8/24に帯広で行われたU-15世代のクラブユース選手権は、春のJFAプレミアカップに続き、清水エスパルスジュニアユースがJFAアカデミー福島U-15を2-0で破っての連覇を飾った。

試合はさすがにクラブジュニアユース世代最高峰の試合とあって、どちらもしっかりしたゾーン・ディフェンスベースの組織が出来ていて極めてコンパクトなフィールド内でのめまぐるしい展開になった。

ただ、どちらかと言うと福島が高い位置から個人が競ってボールを奪いに行き、素早くスペースに選手が飛び出してパワーとスピードでチャンスを創りだすゲーゲンプレッシングタイプなのに対し、清水はあくまでゾーンを崩さず低めの位置でボールを奪ってから、選手のテクニックとパスワークでポゼッションしながらゴールまでボールを運ぶスタイルの違いが感じられた。

序盤は福島がスペースを使った攻撃で勢いを見せたものの、いったん試合が落ち着いてからは清水が試合のペースを握る。テクニックとパスワーク中心のチームは、えてして足元だけで繋いで一向にボールが前へ動かない場合も少なくないが、清水は各選手が絶え間なく動きながらパスを繋ぎ、1対1で詰まるとダブルタッチやアウトサイドトラップなどで1人で打開出来る能力を持っているので停滞感が無い。まるでリーガ・エスパニョーラのセビージャを見ているような小気味よさがある。

清水は前半17分に、PA内左で山崎がスルスルとドリブル突破すると、福島のクロスのクリアが味方に当たって青島健太の前に転がり、これを難なく決めて先制点を挙げる。福島は清水の早い戻りで作られるコンパクトなゾーンに手を焼いていたが、前半の終わりごろからゾーンの外側を攻める形で活路を見出し、特に左SB天野の攻撃参加からのシュートが脅威になるが、不運にも怪我で前半のうちに退場してしまう。

そして後半開始早々に、清水はカウンターから山崎が華麗なクライフターンでマークを交わすと、オーバーラップして来た青島にパス、これを青島太一が上手くゴールに流し込んで2点目。その後は福島も反撃を試みるものの、エースの植中が決定的なチャンスに決められず、試合はそのまま2-0で清水が勝利した。

ぶっちゃけ結果も内容も、組織と技術の完成度で清水が福島を上回っていた試合だった。清水は冬に行われる高円宮杯に年間三冠がかかって来るわけだが、清水に対抗できるとすれば大陸並みにパワーとスピードを持ったチームだろう。そういうところがもっと出て来て、互いに切磋琢磨出来る環境になって欲しいところだ。

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