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「ブラジルの牙城を盤石にする、新たなフォーメーションのオプションが登場」リオ五輪サッカー男子 準決勝 ブラジル-ホンジュラス

グループリーグでは非常に苦しんだものの準々決勝のコロンビアには2-0と快勝し、ようやく本来の力を発揮しつつあるブラジル。準決勝は韓国を下したホンジュラスが相手だったが、全く問題なく6-0と圧勝し、ノルマの金メダルまであと1勝までたどり着いた。

至上命題であるメダルがかかった準決勝、それも聖地マラカナン・スタジアムでの試合とあって、プレッシャーはブラジルの方にのしかかっていたのかもしれないが、開始わずか15秒でホンジュラスのDFに猛然とネイマールがプレッシャーをかけて、こぼれ球をGKと交錯しながら押し込んで先制点を決めた事で、ブラジルは嫌な空気をあっさり振り払うことに成功した。

と言うか、マラカナン・スタジアムの雰囲気に歯車を狂わされたのはホンジュラスのほうで、ブラジルの先制点に繋がったミスを筆頭に、その後もブラジルの中盤に対してプレスがかけられず、5バックを敷きながらも全員が棒立ちでラインを作っているだけという、まるで本大会前に対戦した日本のようなホンジュラスの緩い守備をブラジルが次々に破っていき、26分に左サイドからルアンのスルーパスに抜け出したジェズスが落ち着いて2点目を決めると、35分には今度はネイマールからジェズスに全く同じようなスルーパスが通って3点目で折り返し。

そして後半の5分に、マルキーニョスが左CKに飛び込んで4点目を決めて試合は事実上の終戦。ホンジュラスは後半の終わりごろになってようやくFWエリスがサイドに流れて勝負する形で攻撃を仕掛けられるようになるが時既に遅し。36分にはブラジルらしいパスでの崩しからルアンが5点目を決めると、試合終了間際にはネイマールがPKを決めて6点目。まさにブラジルにとってはマラカナンでのカーニバルとなった。

ホンジュラスの不甲斐なさとブラジルの得点力の陰に隠れているが、これまでは4-3-3のフォーメーションを採ってきたブラジルが、試合の途中から4-4-2に変更して来た事が意外に大きなポイントになったと思っている。そのキーマンとなっているのが前の試合でも大事な働きをしていたルアンで、何と4-4-2ではインサイドハーフから完全なFWの位置に固定、自由に動きまわるネイマールをポジショニングで補完しつつ、ボールを上手く引き出してはしっかり足元に収め、確実に味方へと繋ぐなどFWとしても高い機能性でチームに貢献していた。1トップだったジェズスも、左SHになってからは守備意識も高く、フォーメーションを変更しても問題なく対応出来ていた。

今大会はまだ無失点を継続中と、もとからブラジルの守備力は高かったのだが、4-4-2にするとさらに守備でのバランスが良くなって、後半のホンジュラスに付け入る隙を与えなかったように見える。決勝はナイジェリアを破ったドイツとの因縁の対決だが、この試合を見る限りではブラジルがメンタルで自滅しない限りは力量的に頭一つ抜けているように思うが・・・さて決勝はどうなるだろうか。

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