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「これは手倉森監督が満面の笑みで肩を組みに来るレベル」UEFAチャンピオンズリーグ 予選プレーオフ第1レグ ヤング・ボーイズ-ボルシアMG

このプレーオフに勝ち抜けば晴れてUEFAチャンピオンズリーグの本戦へと進める大一番。久保が所属するヤング・ボーイズの相手はブンデスリーガ4位のボルシアMGで、第1レグはヤング・ボーイズのホームでの試合となった。

ヤング・ボーイズのフォーメーションは久保がセカンドトップの4-4-1-1。複数のフォーメーションを使い分けるボルシアMGは、3-1-4-2の3バックを採用、これが序盤のヤング・ボーイズに混乱をもたらした。

ボルシアMGのシューベルト監督が狙ったのはヤング・ボーイズの左サイド。ボルシアMGは2トップの右にアザール、右WBにトラオレ、右インサイドハーフにシュティンドルと攻撃的な選手を固め、アザールにボールを当ててシュティンドルに落とし、トラオレを裏に抜けさせるという3人でコンビネーションプレイを仕掛けると、ヤング・ボーイズのサイドが簡単に数的不利な状況にされると、11分にアザールが上げたクロスをラファエルが受けると、中へ切れ込んでからのシュートが決まってボルシアMGが先制する。

ヤング・ボーイズは悲しいかなボルシアMGのレベルに比べると中盤の能力が足らず、久保は前線で精力的に動き出しているのだがボールはなかなか出て来ず、ヤング・ボーイズの攻撃は1トップの長身オアロに当てたボールを拾うか、ボールを奪ってからのショートカウンターしか方法がない。それでも前半の半ば頃からヤング・ボーイズは守備を修正して激しいプレスでペースをつかみ、前半ロスタイムにオアロが決定的なシュートを放つなどチャンスを作るが得点できず。

しかし後半11分に、久保が右サイドに寄ったスペースをラヴェが使ってライン際からクロスを上げると、中に飛び込んだスレイマニが合わせてとうとう同点に追いつく。その後もヤング・ボーイズの攻勢は続き、18分にもスレイマニのクロスをオアロがドンピシャで頭に当てたが、ボールは無常にもゴールの枠をかすめて外へ出てしまった。

ボルシアMGは14分にアザールに代えてハーンを送り出したが、そのわずか1分後に、シュティンドルの突破をヤング・ボーイズのDFが人数をかけて止めるものの、上げた足に当たったボールがハーンの前に転がり、ハーンはDF選手よりもゴール寄りの位置にいたのだが相手に当たったボールという事でオフサイドにならず、ボルシアMGがラッキーな2点目をゲットする。そして畳み掛けるように、今度はトラオレからのボールを受けたラファエルがダイレクトシュートを放つと、ボールはDFのかかとに当たってゴールに吸い込まれ3点目。

ヤング・ボーイズはガイッチと久保を下げて同点を狙いに行き、その後も5本のシュートを放つものの追加点を奪うことが出来ず、試合は結局1-3で終了、ヤング・ボーイズは第2レグのアウェイ戦を2点のビハインドを抱えた苦しい状態で迎えることになった。

それにしてもヤング・ボーイズの守備だが、1点目はラファエルのシュートに対してヤング・ボーイズのDF3人が足を出しているのだが、スライディング時にジャンプしているのでボールが股間を抜けてしまい、2点目も人数がしっかり揃っていながら中央を割られ、3点目は足に当たってオウンゴールと、力負けしたというよりもDF選手の最後の部分での詰めの甘さで負けた感じで、まるでリオ五輪での日本を見るような親近感を抱かせた。もし手倉森監督がこの場にいたら、満面の笑みを浮かべてヒュッター監督の肩を組みに行ったに違いない(笑)。

久保については、ボールが足に来れば繊細なトラップとフリックなどの豊かなアイデアで攻撃にアクセントをもたらしていたが、ほとんどの時間がオアロへのロングボール狙いの空中戦で、高さに勝てず1人でガッチリボールをキープ出来ない久保には厳しい試合展開だった。まあ点差ほどの絶対的な力量差は無いと思うので、アウェイで先制点を奪って相手を慌てさせたいところだね。

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