サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「勝ちに不思議のウタカあり」J1 1stスタージ第8節 湘南ベルマーレ-サンフレッチェ広島

年間成績で17位と降格圏に入ってしまっている湘南ベルマーレと、2ndステージに入っても6位といまいち調子が上がって来ないサンフレッチェ広島との試合。互いにフォーメーションが3-4-2-1のミラーゲームという事で注目して見たのだが、試合が始まると明らかに湘南の出足が良くて広島を圧倒する。

広島は、ただ前線に突っ立ってボールが来るのを待ってるだけのウタカを筆頭に、各選手がプレスで前に行かずスペースを埋めているだけの守備に終始。そこを湘南の選手はサイドを中心にどんどん前線に飛び出してチャンスを作るものの、菊池はシュートまでは完璧だったがボールは枠を外れ、高山もクロスに合わせきれず序盤の決定機2発を物に出来ずに嫌なムードが流れるが、19分にGKからのフリーキックを落としたボールを端戸が胸トラップから反転ボレーを叩き込んで湘南が先制する。

しかし前半終了間際の43分に、広島はウタカに縦パスを当てると、これをウタカがマークの逆を取って反転、そのまま抜け出して同点ゴールを決めてしまう。ここまで全く良い所が無かった広島だったが、ワンチャンスをウタカ個人の力だけでもぎ取ってしまうのだから、湘南にしてみたら堪ったものではないだろう。

後半になると湘南のペースがさすがに落ちて広島も落ち着きを取り戻し、前半はやられ放題だった広島のサイドも、柴崎とロペスがDFにプレスをかけられるようになって互いに攻守が入れ替わる展開に。そして後半15分に、クロスが流れたボールを左サイドの柏が拾い、溜めてから折り返したボールを後ろから走りこんだ丸谷がミドルを打つと、これがゴール左端に決まるゴラッソになって広島がリードを奪う。

当然そこから湘南は神谷、ウェズレイと選手を投入して反撃にかかるものの、DFラインの裏を取ったシュートはゴールラインギリギリでクリアされ、クロスから大槻が反応したヘディングはクロスバー、PA内で広島の選手がハンドをしたように見えたシーンも笛は吹かれずと湘南には運もなく、試合はそのまま1-2で広島が勝利した。

まあ、広島にしてみたら夏場の厳しい気候を考え、省エネサッカーで勝利したのだからプランとしては完璧だったのだろうが、中立的な立場としてはチームとして頑張っていた湘南を勝たせたかったなと。日本サッカーの守備がボールを奪いに行かず、プレスが遅くなってしまう理由には、間違いなく夏場の過酷な気候も影響しているだけに、試合を見ていていろいろ複雑な思いがする試合だったね。

モバイルバージョンを終了