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「クロップが示したゲッツェと香川の最適な共存法を、あえて無視するトゥヘル監督」プレシーズンマッチ ボルシア・ドルトムント-アスレチック・ビルバオ

ブンデスリーガの開幕は今月末とはいえ、8/14にはバイエルンとのDFLスーパーカップが待ち受けているわけで、その5日前に行われた試合と考えると不安が大きく残る内容と結果になってしまった。

これまでのPSMでは、バイエルンから出戻ったゲッツェと香川は交互にトップ下で使われて来たのだが、このビルバオ戦でようやく同時起用された。が、ポジションは何と2人共4-3-3のインサイドハーフ。アンカーにヴァイグル、前線はシュールレ、オーバメヤン、プリシッチというメンバーになっていた。

案の定、その4-3-3はさっぱり機能せず。ゲッツェは前に上がるとほとんど守備に戻って来ないし、やったとしてもゾーンを意識しない食いつく守り方なのでスペース空けまくり。香川はポジションのバランスは意識するものの、攻撃に意識が行っているので後追いの守備が多くなり、バイタルでヴァイグルが孤立してしまう。前半20分の失点が典型例で、香川もゲッツェも前に行ってしまい、ヴァイグルがプレスに遭ってボールを失ってしまい、香川の戻りが全然間に合わずにゴールを決められてしまった。

ビルバオのフォーメーションは4-2-3-1、守備時には4-4-2になるオーソドックスだが極めて組織されたゾーン・ディフェンスで、ヴァイグルには前線の2人が常時プレスを仕掛け、香川にはボランチがマンマークに付いて中盤を封じ、ブルニッチとソクラティスのCBは有効な縦パスが出せずドルトムントはほとんど有効なビルドアップをさせてもらえなかった。

前半の終わりごろには香川がたまらずボランチの位置まで下がってゲームメイクをしてPKに繋がる(オーバメヤンが失敗)場面はあったが、後半からガラッと選手が変わると裏抜けとドリブルばかりを狙うデンベレに対するロングボールが多くなってしまい、香川も積極的に前線へと上がるが交通渋滞を招くだけでボールが来ず、結局不完全燃焼なままでパク・チュホと交代。試合もそのまま0-1で敗戦してしまった。

香川とゲッツェの共存は、クロップ時代に香川トップ下、ゲッツェウイングという形が機能していたのに、何故守備が機能しないと分かっているインサイドハーフで起用したのか、相変わらずトゥヘルが何を試そうとしたのか、どういうチームを作ろうとしているのか良く分からない。明らかにまだ太いゲッツェ、サイドで張っているだけで存在感が薄いシュールレを今無理に起用する必要は無いと思うのだが・・・

もう明日の深夜にはスーパーカップが行われるわけだが、今のチーム状況を見ていると4-4のゾーンで守備を固めて、前線はオーバメヤンとデンベレを走らせるカウンターサッカーしか勝機が無いように見える。負けは仕方がないにしても、トゥヘルはサポーターに向けて新シーズンの確かなプランを見せることが出来るのだろうか。

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