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「先発フル出場した清武は、サンパオリ監督のお眼鏡にかなったのか?」UEFAスーパーカップ レアル・マドリー-セビージャ

UEFAチャンピオンズリーグとUEFAヨーロッパリーグの優勝チーム同士が対戦する、欧州シーズンの開幕を告げる最初のタイトルマッチ、UEFAスーパーカップ。今年はレアル・マドリーと清武が移籍したセビージャが対戦、その清武も先発メンバーに並んだ。

まず注目したのは、サンパオリ監督が就任したセビージャがどんな戦術を採用し、清武がどういうポジション、役割で使われるかという点。試合前の予想では、3-4-3のフォーメーションで清武がウイングと見られていたが、試合が始まってみるとどうやらフォーメーションは4-3-3で清武が右ウイングとして起用されているようだった。

とは言え、セビージャは4バックでありながら8番のイボーラが下がって3バックのような形になる事が多く、右SBのマリアーノが高いポジションを取ると清武がインサイドハーフの位置まで下がったりと、フォーメーション的にはかなり流動性が高い様子。そんな中で清武は、サイドなどでボールを受けるとスパっと前を向く切れのあるプレイを見せて着実にボールは繋げるが、インサイドハーフの位置に下がった時はなかなかボールが来なくて、清武が得意とする中央からのスルーパスを出すような場面はほとんど無かった。まだまだ信頼関係やコンビネーションに課題があるなという感じ。

また、現地のメディアではまだ清武にフィジカルが足りないと書かれていたらしいが、それは主に守備に関する事だろう。清武はボールを奪われると決してサボらずしっかり自陣に戻ってプレスバックするのだが、パスコースを切るだけでボールを奪うところまでは行けていない。リーガ・エスパニョーラでは、ウイングの選手にもボールを奪う能力が求められるので、清武がレギュラーを確保するにはそういうプレイをマスターする必要があるだろう。

ただ、それだけプレイに課題がある状態であってもUEFAスーパーカップでフル出場させたのはサンパオリ監督から期待されている部分が大きいのではないかと思う。他のチームメイトがどちらかと言うと個人能力に頼る選手が多い中、清武のように広い視野とコンビネーションに対するアイデア、プレイビジョンを持ち合わせている選手は貴重なのかもしれない。

さて試合だが、ユーロを戦ったクリロナやベイル、ぺぺ、ケイラーナバス、怪我のベンゼマを欠くなどサブメンバー主体になったレアルだったが、21分にアセンシオのスーペルゴラッソで先制すると、その後はポゼッションを高めるセビージャが41分にゴール前からの混戦からバスケスが決め、後半26分にはビトロがPA内で倒され、これを交代で入ったコノプリャンカが決めてセビージャがリードする。だがレアルもさすがの粘りを見せ、後半ロスタイムにバスケスのクロスからセルヒオ・ラモスがヘディングで合わせて同点に追いつき、試合は延長戦に。

延長3分に、バスケスに対するファールを取られたセビージャのコロが2枚目のイエローで退場すると、もはや流れは完全にレアルのペース。セビージャも4-4-1のゾーンを自陣に引いて守備を固め、清武もマルセロやモドリッチの攻撃参加に何とか耐えていたものの、またも試合終了間際の延長後半14分に、長いドリブルで突っ込んで来たカルバハルに決勝ゴールを決められてそのまま試合終了。レアルが3度目のUEFAスーパーカップのタイトルを手にする事となった。

メンバーが変わってもある程度やる事がはっきりしているレアルに対し、セビージャのほうはまだまだどういうサッカーをするか構築中という感じで、選手も手探りでプレイしていたような感じだったかなと。来週はバルサとのスペイン・スーパーカップが待ち受けているが、何とか清武には先発に残れる活躍を見せて欲しいね。

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