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「良いチームになって来ていただけに、ここでお別れは本当に残念」リオ五輪サッカー男子 グループB 日本-スウェーデン

リオ五輪グループリーグ最終戦のスウェーデン戦は、日本が1-0で初勝利を挙げたものの、裏のコロンビア対ナイジェリアの試合でコロンビアが2-0で勝利したため、日本はグループリーグ3位で突破ならず。ここで大会を終えることになってしまった。

そのスウェーデン戦は、浅野と興梠の2トップに、南野と中島、ボランチに遠藤と大島、DFが亀川、植田、塩谷、室屋、GK中村と今大会のベストメンバーと思える選手を揃えて来たが、ゲームプランとしては最初から勝負をかけ過ぎかなと思った。

スウェーデンは非常にコンパクトなゾーン・ディフェンスを敷いて来たので前線に全くスペースが無く、浅野と興梠は細かく動き出しているんだけど、相手のラインコントロールに引っかかってオフサイドになるし、そのうち日本もだんだん縦パスを出せなくなってサイドで安全にボールを回すだけになってしまった。これでは南野や大島も活きてこない。

たまに良い形でボールを奪う時があっても、遠藤のパスミスや中島の持ちすぎ、亀川や室屋のクロスが合わなかったりと、日本はラストプレイでの精度や判断が悪く、怪我を抱えた浅野も動きが良くなくてボールは日本が支配しながらもあまり決定的な場面は作れなかった。

ただ日本は攻撃のリズムが作れない中でも守備はしっかり対応していた。スウェーデンのプレスでボールを奪われても、攻撃の選手がきっちりプレスバックして自由に展開させなかったし、植田の跳ね返す能力はスウェーデンのFWイシャクを上回っていた。

そして後半になるとスウェーデンの動きがガタリと落ちてボールへのアプローチが遅くなり、出足で勝る日本が何度もチャンスを作りながらも得点には至らず、日本は浅野に代えて鈴木武蔵、南野に代えて矢島を投入すると、鈴木のスペースへ流れる動きで基点が出来始め、日本が再びリズムを作り始める。

すると後半19分に、左サイドの密集を大島がスルスルとドリブルで突破すると、折り返しを中に飛び込んだ矢島が上手く合わせてようやく先制点をゲット。その後も畳み掛けるようにチャンスを量産するが、今度は矢島がどフリーのヘディングを外すなど決定力に欠け追加点を奪えず。

後半32分に、日本は井手口を投入して4-1-4-1にすると、案の定攻撃の溜めが作れなくなって井手口の横のスペースを使われたりして日本のリズムは崩れそうになるが、スウェーデンも疲労困憊で攻めきれず、最後は日本が何とか時間を稼ぎながら逃げ切った。

あまり試合のゲームプランとして良かったとは言えなかったが、それだけ日本とスウェーデンの間にはチーム力の差があったと言えるわけで、つくづくブラジル戦からナイジェリア戦へのメンタルの入り方、メンバー選び、戦術の選択ミスがもったいなかったなと痛感する。

もともとグループリーグ突破は厳しい相手だと思っていたし、敗退した事自体を責めるつもりは無いけれど、初戦の大きなつまづきを乗り越えて、試合を重ねるごとに良いチームになって来たので、ここで終わってしまうのは本当に残念。選手の未来を考えても、決勝トーナメントで実力をアピールする機会を作ってあげたかったと思う。

ともかくこれで年度別の代表は最後で、次はA代表で出場する番である。浅野、南野、大島、植田、遠藤、中村あたりは確実にメンバー入りして来るだろうし、他の選手も良い経験を積んだことは間違いない。この悔しさは、ロシア五輪のアジア予選で是非とも晴らしてもらいたい。

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