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「肝心な場面でミスをしてしまう選手と、ゴールを決めてしまう選手との決定的な違い」リオ五輪サッカー男子 グループB 日本-コロンビア

ま~、ナイジェリア戦に続いてこの試合を見た日本人ほとんどが感じた事は、良く初戦から持ち直したというのと、何でこの試合が最初から出来なかったという疑問と、「藤春・・・」という絶句だっただろう(笑)。

日本はナイジェリア戦の4-3-3から、いつも通りの4-4-2に変更したのだが、試合が始まってすぐにその効果は見て取れた。ナイジェリア戦では横に広がっていたDFラインが極めてコンパクトになり、塩谷は植田の位置をしっかり確認しながらラインをコントロール、ボランチに起用された井手口がバイタルエリアで相手をしつこく追い回し、遠藤が連携を取ってサポート、相手のカウンター狙いをきっちり摘み取るなど、センター4人が見違えるように安定していた。

そしてナイジェリア戦ではミスからメロメロになってしまった室屋がすっかり立ち直って積極的に攻め上がり、日本の2列目に食いつく相手の守備を逆手に取って、藤春と交互にスペースへと飛び出してコロンビアを攻め立てた。が、その前半の良い時間帯、特に30分過ぎにあった藤春のどフリーヘディングや、中島のスルーから藤春のPA内への飛び込みといった連続攻撃で点を奪えなかった事、審判がヘタクソでハンドを取ってもらえなかったり、ボールにタックルしたのにイエローをもらってリズムを止められたのが痛かった。

後半から、コロンビアは4-4-2にして守備を修正して来て、カウンター狙いよりもサイドを基点にしてじっくり繋ぐ作戦に出てきたが、日本はなかなか1対1で奪えずジリジリと守備陣が下げられてしまい、その流れで後半14分にセンターでボールを受けたグティエレスに井手口が飛び込みすぎて交わされ、ロドリゲスとのワンツーからシュート、これが植田の足に当たってコースが変わり、コロンビアが先制してしまう。

ここで日本は大島と南野を投入、ようやくコロンビアの弱点であるバイタルに出来るスペースを使う狙いにしたかと思った矢先に、あの藤春の大チョンボが起きてしまう・・・しかしその2分後に、大島と南野による崩しから、最後は浅野がワントラップから振りぬいたシュートで同点に追いついた事が日本(と藤春)を救う精神的なリカバリーになった。そして29分に中島の見事なゴラッソで日本が同点に。

その後も日本は足が止まったコロンビアに対して中島、大島、南野がパスを繋いでリズムを作り、浅野のスピードで何度もゴールを脅かすが、ロスタイムの浅野の肩トラップからのシュートは当たりそこねてGKの腕に収まり逆転ならず。試合は2-2のドローで終わり、日本は自力でのグループリーグ突破の可能性が消滅した。とは言え、コロンビアがナイジェリアに引き分け以下の場合は、得失点差と総得点によって日本は最終戦のスウェーデンに引き分け以上の場合は勝ち抜きが決まるわけで、まだ諦めるには早い。

スウェーデンはグループリーグの中では最も力が落ちる相手なので、きっちり勝って吉報を待ちたいところであるが、問題はスタメンの人選である。正直言って、日本がリオ五輪で得点を決めた場面のほとんどに大島、南野、浅野が絡んでいるわけで、それ以外のメンバーではスウェーデン戦でも決めてくれたらラッキーレベルな可能性しか無いように思う。コロンビア戦は負けなければ可能性が残った試合だったので温存出来たが、スウェーデン戦はどういうゲームプランでスタートするのか注目される。

それにしても藤春・・・戦犯扱いはしたくないけど、シュートとオウンゴール以外のプレイは良かったのに、何故ゴール前であんなに慌ててしまったのか。絶好のチャンスに決められなかった矢島もそうだが、五輪のような大きな大会の本番でも冷静になれる選手とパニックになる選手の差が、本人が世界レベルへと登れるかどうかの違いになっているのではないかと思ってしまう。そういう意味で、浅野、南野、大島は既に世界への階段を登りつつあるが、それに続く選手がスウェーデン戦で出て来る事を期待したい。

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