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「Jリーグのチームは、高校生に夏場の戦い方を学ぶべき?」高校サッカーインターハイ決勝 市立船橋-流経大柏

真夏真っ昼間の酷暑で、3回戦と準々決勝の間に1日の休みがあるだけで、あとは毎日連戦が行われるという凄まじいスケジュールで行われていたサッカーインターハイ。

当然ながらフルタイムの試合というわけには行かず、前後半35分でそれぞれ途中に3分の給水休憩が入るレギュレーションにはなっていたが、それでも見るからにピッチ上の選手はきつそうで気の毒だった。

これほどの暑さと過密日程になると、サッカーの内容も普通とは全く違ってしまうようで、まずあまりにも両チームの選手間の距離、特に横幅が極端に狭くなって、ほぼボールサイドのピッチ半分に選手全員が入ってしまっていて驚いてしまった。

市立船橋は、高円宮杯プレミアリーグのトップを走っているだけあって、モダンな戦術が取り入れられている。基本フォーメーションは4-2-3-1だが、攻撃時にはボランチの金子がCBの間に入った3バックのような形になり、高く上がったSBを使ったビルドアップを行い、守備ではボールを奪われると近くのポジションにいる選手が積極的にゲーゲンプレスをかけるという、まるでドルトムントを髣髴とさせるサッカースタイルである。

それに対して流経大柏のほうは、シンプルに前線へボールを送って激しいプレスでセカンドボールを拾うという、もはや同校の伝統とも言えるプリミティブなサッカーで対抗するが、市立船橋の巧みなパス回しに前半は劣勢に立たされ、それでも何とか相手の攻撃を凌いでいたが、前半のロスタイムに一発のフィードでDFラインの裏を取られ、村上がクロスを押し込んで市立船橋が先制点を奪う。

後半になると市立船橋のほうに疲れが見え始め、前半に見せていた丁寧なビルドアップの意識が落ちて単純にボールを前に送るだけのサッカーになってしまう。そうなるとプレスの体力に勝る流経大柏がセカンドボールを支配してペースを握るようになり、自慢のロングスローなどセットプレイで何度も市船ゴールを脅かすようになる。しかし流経大柏は、後半ロスタイムにセットプレイからゴール前でどフリーのシュートを放つものの、味方に当たったボールがゴールラインギリギリでクリアされて得点ならず。市立船橋が何とか1-0で逃げ切って優勝を飾った。

普通の試合ならワイドに攻めたいはずの市立船橋が、ゴールまで最短の攻撃に偏らざるを得ないほどのコンディションで、肉弾戦を得意とする流経大柏の土俵にあえて登って最後はサンドバッグになりながら、最後までひたすら辛抱して守り切ったところに、改めて市立船橋の強さを感じた試合だった。改めて、涼しい冬に行われるプレミアリーグのチャンピオンシップで見てみたいチームである。

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