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「チームスカイとフルームの栄光はいったいどこまで続く?」ツール・ド・フランス2016 第20・21ステージ

先週末は保養所まで旅行に行っておりまして、帰って来た日曜はツールの放送が深夜からとちょっとライブでは見れそうになく、昨日は更新をお休みしておりました。ポケモンGOも忙しかったし(笑)。で、昨晩ツールの録画を飛ばし飛ばしで2ステージ分見終わりました。

第20ステージは、雨で波乱になった第19ステージのトラウマを引きずらせるかのように雨の中を走る山岳ステージになりました。それもあって、既に優勝よりもキンタナの総合3位をキープする事に専念したモビスターは、イサギーレが逃げに入った以外は完全にリスクを排除した走行に専念したのに対し、アスタナは第13ステージの個人タイムトライアルで大きく遅れてしまったファビオ・アルに一発逆転の表彰台を狙わせるために、アシストのニーバリに先行させましたが肝心のアルがバッド・デイであえなく目論見失敗、結局13位と順位を落としてのフィニッシュに。

ラストの超級山岳ジュー・プラーヌの登りで、アルを待つ必要が無くなったニーバリがアタックするも、下りになってすぐにパンタノとイサギーレが合流、本来であれば下りが得意なニーバリが逃げるかと思われたのですが、意外にもニーバリのスピードが上がらず、イサギーレが滑りやすいダウンヒルを物ともせずペースアップ、みるみるうちに後続の2人と差が開いてしまい、パンタノとは19秒、ニーバリとは42票の差を付けて、今大会パッとしなかったモビスターチームに嬉しいステージ優勝をもたらしました。そしてメイン集団は安全を確保しつつゆっくりダウンヒルを下って4分差でゴール。これでクリス・フルームの総合優勝が確定しました。

最終日、パリシャンゼリゼゴールの第21ステージは、いつもならだいたい南側からパリに入るのですが、今回は珍しく北側にあるシャンティイ競馬場からスタートし、シャンティイ城を抜けて凱旋門の左側に入り、シャンゼリゼの脇道を通ってルーブル美術館の中を通ってから、いつもの周回コースに入るという複雑な入り方になってました。

優勝したフルームは終始リラックスして、通常はリアルスタートの前のパレード走行中に、優勝したチームのチームカーから選手にシャンパンが手渡されるのですが、今回はスポンサーの関係なのかビールを手渡されて選手はラッパ飲みで飲んでましたね。

シャンゼリゼ周回コースに入ると、今大会で引退が決まっているホアキン・ロドリゲスが先頭で入り、最初の凱旋門の折り返しから7人の逃げがスタートし、これは最終回を待つだけかと思ったら、キッテルがマシントラブルで遅れ、2周前にはフランス期待のスプリンターであるコカールがパンクで脱落と、シャンゼリゼゴールを狙う有力選手が次々とトラブルに遭うアクシデント。

キッテルは集団には戻ったものの余力は残っておらず、ラストスプリントはクリストフ、グライペル、サガンの並びでスタートされ、クリストフのスリップから抜けだしたグライペルを、サガンが最後に交わそうとしたもののグライペルが逃げ切り、今大会はまだ1度もステージを取っていなかった男が最後に有終の美を飾りました。

フルームは、チームスカイのチームメイト8人と肩を組んで1列になってのゴール。今年のツールは例年に比べてリタイアした選手の数は減ったとはいえ、最後まで1人の選手も欠けること無く、19ステージを除けばノートラブルで最後までフルームを守り切ったチーム力を象徴するゴールシーンでした。あまりに強すぎるチームスカイとフルームに対して、来年以降に他のチームはどうやって対抗していくのか、そういう展望が見えないまま終わった3週間でしたね。

少し希望があるとすれば、コンタドールやニーバリといったベテランが目立たなかった一方、ロマン・バルデやアダム・イェーツ、山岳賞のマイカなど、これから脂が乗って来る20歳代半ばの選手が台頭してきた事。31歳のフルームに比べて、総合力や経験ではまだまだ劣りますし、あまりに若いうちからチヤホヤされると潰れる選手が多いスポーツなので、じっくり焦らず成長を見守りたいものです。

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