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ポケモンGOとJリーグで時代はスマホの天下?

現在、世間ではすっかり日本でのリリースが始まったポケモンGOの話題一色になっていますが、日本サッカー界についての大きなニュースがあった事を覚えておられますでしょうか(笑)。

Jリーグ放映権2000億円、英社と契約 スマホに配信  :日本経済新聞 

「英動画配信大手パフォームグループと、2017年から10年間の放映権契約を結ぶことで合意した。Jリーグが受け取る放映権料は総額2000億円超と現契約の約7倍となり、日本のスポーツ放映権としては過去最大となる。スマートフォン(スマホ)で動画をいつでも安く見られるようになり、プロスポーツのコンテンツの楽しみ方が変わる転機となる。」とあるように、今までは資金繰りに青息吐息だったJリーグが、一気に金満化する事になったわけですね。

「同社は自社で手がけるインターネット上の生中継サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」を日本に導入する。全試合を生放送し、料金は今夏に公表する」「ダ・ゾーンはサッカーだけでなく、野球、テニス、バスケットボール、ラグビー、モータースポーツ、総合格闘技など様々なスポーツが見放題という定額制サービス」「動画配信料金は月3000円程度で提供するスカパーの現サービスに比べ大幅に安くなるもよう」というので、日本のスポーツ全体が、ワールドワイドなスポーツマーケティングの波に飲み込まれた印象があります。

ともかくこれによって、配信がネット中心になってスカパーや地上波がどうなるかについては、今後の個別交渉を待つ形になるようですが、テレビだとなかなか難しかったJ3までオンデマンドの形で配信されるようになるのは、Jリーグ100年構想を補完する意味でも大きなポイントです。

また、「従来はJリーグ、クラブが試合や選手の動画を自由に使うことができなかった。今回の契約では著作権をJリーグが持つため、独自に動画を編集し自らのサイトで使ったり、パフォームの了解のもとで地方局などに売ったりすることもできる」とあるので、スカパーとの独占契約では難しかった地上波へのアピールがしやすくなるのも嬉しいです。ネットや有料放送はやはりコアな人たち向けのクローズドな環境なので、一般向けにはまだまだテレビに負う部分が大きいですからね。

もちろん国内のみの市場でこの放映権がペイできるとはパフォーム側は考えていないはずで、ネットという特性を活かして東南アジアや欧州のマーケットにも売り込めるという計算はあるのだと思います。特にJリーグは、欧州のシーズンオフである夏場にも試合をやっているので暇つぶしで見ている人がいるようですし、ブックメーカーの対象にもなっているので、皮肉にも境界が進めようとしていた秋春制への反対援軍を得た格好になりますね(笑)。

この契約を受けて、スポンサーからお金を集めるための興行という意味合いが強かったチャンピオンシップの見直しにもチェアマンは「フットボールを構成する要素に関し、制約なしにあるべき姿で議論できる」と言及しており、コアなサッカーファンからは早速廃止を期待する声が上がっているわけですが、当然ながらチャンピオンシップについても放映権契約の中に入っているでしょうから、早急な見直しは難しいと思っています。海外のファンから分かりにくいという声が多く上がれば、今後の議題には上がって来るかもしれませんが。

そしてサポーターにとって気になるのは、この増額されたお金がいったいどこに行くのかというところ。以前から噂に上がっているのは、J1とJ2、J3で分配金の格差を増やしてビッグクラブを育てるという事と、有名選手、名監督と契約する際に、J事務局もしくは関連会社が契約金の一部を負担する事ですかね。

まあ、どちらもサッカーファンからは確実に反発を受けそうな案ですが、私は以前にもチャンピオンシップについて消極的肯定論を書いたように、ちゃんとPDCAサイクルが機能するならドンドンやってみなはれ、というスタンスなので、村井チェアマンにはガンガン攻めの姿勢を貫いて欲しいですな。

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