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「いや結果は知ってましたけどね・・・」ツール・ド・フランス2016 第18ステージ個人タイムトライアル

2004年のラルプ・デュエズでのステージから11年ぶりにツール・ド・フランスで開催された山岳個人タイムトライアル。

第13ステージの平地での個人タイムトライアルで圧勝したトム・ドゥムランが、それまでのデヘントによるトップタイムを41秒も更新する走りでトップに立つと、その後は並み居る強豪選手が1分以上も及ばないタイムに終わり、このステージもドゥムランのものかと思われました。

しかし総合8位のファビオ・アルが第1計測ポイントでドゥムランに迫るタイムを出すと、今度は6位のリッチー・ポートがドゥムランのタイムを塗り替えて状況は一気にヒートアップ。そして最後に登場したマイヨジョーヌのフルームは5位と静かな立ち上がり。

ところが第2計測ポイントになると、前回の個人タイムトライアルでは前半の飛ばし過ぎで結局後半に失速したリッチー・ポートが同じようにドゥムランから10秒遅れたタイムになってしまうと、逆にフルームはリッチー・ポートと同じタイムで通過と盛り返し、ゴールでは結局リッチー・ポートはドゥムランから12秒差の3位だったのに対し、フルームはドゥムランのタイムを21秒塗り替えてステージ優勝を決めてしまいました。

注目のキンタナは、やはりこのステージでも力を出せずフルームから1分10秒差に終わってしまいましたが、ファビオ・アルやバルデはトップから33、42秒差と健闘しました。総合2位のモレマは1分25秒差の17位と遅れましたが、貯金がモノを言って何とか順位をキープしました。

まあ、ステージレース後半の個人タイムトライアルなんてのは総合上位にいる選手が席巻するのが普通で、確かにエースは道中をアシストに囲まれて空気抵抗による消耗が少ないのかもしれませんが、やはり過酷な毎日のレースの中で、体力を日々回復する能力が尋常ではないという証明なんでしょうね。

これで総合争いはフルームが3分52秒差とさらにまたタイム差を積み上げて優勝を確実なものにした一方、2位以下の争いはモレマから5位のバルデまでの差が1分5秒と、レースの焦点は表彰台争いへと映ってしまった感があります。特に今大会はまだフランス人選手がステージ優勝をしていないだけに、バルデの活躍を待ち望む人は多いでしょう。勝負はあと2ステージ、何とか頑張って欲しいところです。

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