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「トム・ドゥムランが予定通りの圧勝、フルームのライバル達は失望の結果に」ツール・ド・フランス2016 第13ステージ個人タイムトライアル

ここまでのステージでは、山岳頂上ゴールこそ2度あったものの、モン・ヴァントゥの登坂距離が短縮したせいもあってほとんど総合争いにタイム差がつかなかった今年のツール。

しかし、第13ステージの個人タイムトライアルは前半の坂道+強風というコンディションもあってペース配分に苦しむ選手が多く、総合争いで意外にも大きな差が付いてしまう結果になりました。

ただしステージを優勝したのは、総合争いの選手ではなくてオランダの個人タイムトライアルチャンピオンであるトム・ドゥムラン。今大会のこのステージの本命と見られていただけあって別格の走りを見せ、平均速度44.7km、50分14秒という2位に1分以上の大差を付ける圧勝。同じくタイムトライアルスペシャリストであるトニ・マルティンは2分5秒差の9位と明暗が分かれました。

タイムトライアルのスタート順は、総合タイムで下位の選手からスタートするため、総合争いをしている選手で最初に登場したのは故障で早々にタイムを失っていたリッチー・ポート。もともとタイムトライアルが得意な選手だけあって、第1計測ポイントではドゥムランに10秒差に迫るスタートダッシュを見せましたが、その後は飛ばしすぎたのかすっかり失速。結局最後はトップから3分の遅れでゴールと、逆襲どころか返り討ちにあってしまいました。

最後に登場したフルームは、前日のアクシデントの影響が心配されましたが全く揺るぎなく、リッチー・ポートとは逆に序盤は抑え気味で入り、後半にペースを上げる冷静な走りでドゥムランのタイムはさすがに上回れませんでしたが、結果は1分3秒差の2位。総合争いのライバルたちに決定的な差を付ける貫禄の走り。今後大きなアクシデントでも無い限り、3度目の優勝は固いでしょう。

同じく総合争いの有力選手であるキンタナは、高地でタイムトライアルのトレーニングを重ねていたそうですが、やはり体重の軽い選手に強風のコンディションは難しく、リッチー・ポートと同じタイムでのゴール。純粋なクライマーである事を考えればまずまずの健闘ですが、総合タイムでは3分近い差の4位となってしまい、いかにクライマーといえどこの差を逆転するのはもはや困難でしょう。

フルーム盤石の中で健闘したのはバウク・モレマ。他の選手達が軒並み3分以上の遅れを喫している中で、1分54秒遅れのステージ6位でゴール。総合争いでは1分47秒差の2位に浮上し、有力選手が軒並み崩れる中で挑戦者の座が回ってきた格好になりました。山岳にも強い選手なので、アルプスでのフルーム包囲網を形成して何とか一矢報いてもらいたいところです。

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