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「ライバルを切っては捨てるフルームとチームスカイに弱点はあるのか?」ツール・ド・フランス2016 第9ステージ

ユーロの決勝ぐらいは頑張って生で見ようと思っていたのですが、前日に今年最初のプールに行って疲れきり、夜は何とかツール・ド・フランスを見終えたのですが当然夜中なんかに起きられるはず無く、決勝のレポートは明日にしてツール・ド・フランスのほうで更新します・・・

今年のツール前半戦最大の勝負どころ、超級山岳アンドラ・アルカリス頂上ゴールの第9ステージは、前半から優勝候補にも挙げられるコンタドールとバルベルデが逃げ集団の中に入るという波乱の幕開けになったものの、落車による怪我の影響か前日には発熱があったらしいコンタドールは間もなく遅れ始め、結局レースの途中でリタイア。バルベルデは、追走集団のペースがバルベルデを追って早くなりすぎるためにチームオーダーで集団へ復帰し、結局他の逃げを容認する流れに落ち着いてしまいました。

途中に1級が3つある山岳ポイントでは、山岳賞ジャージであるマイヨ・アポワルージュをかけて逃げ集団の中でラファエル・マイカとティボー・ピノの激しい闘いがあったものの、メイン集団では大きな動きは無くていよいよ最後の超級山岳アルカリスへ。

メイン集団と8分の差をつけ、ほぼ逃げ集団の中で優勝が決まる展開になると、アルカリスを前にしてドゥムランが単独アタック、そのままマイカやピノらの逃げ集団とは差を広げて独走状態になり、個人タイムトライアルを得意とするドゥムランは、残り6km地点から襲ってきたヒョウ混じりの激しい雨に襲われてもペースを落とすこと無く超級山岳を登り切り、嬉しいツールのステージ初優勝を飾りました。

そして相変わらずチームスカイのアシスト4人が万全の状態でを引くメイン集団では、ちょうど大雨に突入する残り6kmからアタックが始まり、フルームも反応してエース同士の一騎打ちに。そこからリッチー・ポートやダニエル・マーティンが交互にアタックを繰り返すも、フルームは1人で全てのアタックに反応する強さを見せてアタックを許さず、逆にキンタナはアタック合戦には入らずフルームをマークするだけで自分からは動かず。

アタック合戦の間に、メイン集団からはファビオ・アル、クロイツィゲル、ティージェイ・ヴァンガーデレン、ロメン・バルデといった各チームのエースが脱落し、キンタナとフルームの間に差は付きませんでしたが、それ以外のライバルに対してはキッチリとタイム差を獲得する強さをまたもフルームが見せつけ、今までのところは全く隙が無い戦いぶりです。

しかしどんなに強い選手であっても、ドーピングをしてなければ長い20日間あまりのステージレースでは必ずどこかで調子が落ちる日が出て来るもの。それをライバルに悟らせず、上手くアシストを使ってカバーする能力もエースには求められるわけで、そういう人間臭さもフルームにあると可愛げが出て来るのになあと思ったり(笑)。

逆に、フルームにとって最大のライバルと目されているキンタナは結局最後までアタックせず、若干拍子抜けの展開になってしまいました。果たして動けなかったのか動かなかったのかは分かりませんが、キンタナはタイムトライアルではフルームに負けることは確実なので、どこかの登りで差をつけないと優勝の可能性は出て来ません。第10、11ステージは平坦が続き、次の勝負どころである第12ステージのモン・ヴァントゥでフルームに差をつけられなければ、いよいよ優勝に黄信号が点灯しそうなので、何とかツールを盛り上げて欲しいところです。

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