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「リアリストで十分勝てるんだから、最初からそうしておけばいいのに」J2第17節 ジェフ千葉-モンテディオ山形

ともに低調なリーグ前半戦を送ったものの、ここに来て千葉は6試合負け無し、山形は8試合負け無しという好調なチーム同士の対戦となった試合。

試合はどちらも守備時は4-4-2のフォーメーションでコンパクトに守り、高い位置からプレスをかけ合う形で始まるが、13分に千葉が中盤でボールを奪った形から井出がドリブルでPAの中まで仕掛けると、山形のCBがどちらも井手に釣られてしまい、フリーになったエウトンが横パスをやすやすと決めて先制する。

そして20分にも、左サイドからの長いFKをエウトンが受けると、ボールは真上に跳ね上がるが山形の選手が一瞬ボールを見失い、先に落下点に入ったエウトンが振り向きざまに叩きつけると、ワンバウンドしたボールがゴール隅に吸い込まれて2点目。山形は41分にゴール前に抜け出した汰木が決定的なシュートを放つもボールはポストに当たって跳ね返る不運。前半は山形が11本のシュートを放って無得点だったのに対し、千葉はわずかシュート3本で2点を奪うという対照的な効率で折り返す。

後半も、前がかりになる山形に対して千葉がじっくり守ってカウンターを狙う流れは続き、山形は大黒、佐藤、ディエゴ・ローザと選手を投入するも、中央をしっかり固める千葉の守りを崩せない。すると後半35分に、千葉は左サイドでのパス交換から船山が抜け出し、ファーサイドに走りこんだ町田がボレーで流し込み千葉が3点目。これで試合は勝負あり。千葉の順位は8位と変わらないものの、自動昇格圏まで勝ち点5にまで迫って来た。

千葉の前半戦は攻守が分断されてバラバラ状態だったのだが、この試合ではダブルボランチがあまり上がらず、以前は広大なスペースが空いていたCBとSBの間をボランチが埋める動きをするなど、守備で相手にスペースを与えない動きが徹底されていた。その分、攻撃の人数は薄くなるが、J2だと少ない人数で十分守備を掻い潜れるタレントが揃っているので、山形のような同系統のチームだと差がはっきり付きやすい。何で最初からこういうリアリスティックな試合が出来ないのか・・・城福監督や長谷川監督も攻撃的サッカーに意欲を見せて案の定失敗しているけど、人には器というものがあると思うんだけどねえ。

逆に山形は、己の器をしっかり把握している石崎監督だがこの試合は完敗。とにかく相手陣内に攻め込みながらも、最後がことごとく不正確なミドルシュートでは勝てるはずがない。それだけ、千葉の中央が固くてゴール前で数的優位を作れず、ミドルを打たされてしまったという事なのだろう。頼みのディエゴも不調だったので致し方無しか。この先は讃岐、松本と守備が固いチームが相手だけに、それらをどう崩すかの工夫が石崎監督には求められる。

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