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2015-2016シーズン海外組通信簿(ドイツ・ブンデスリーガ編その2)

海外組通信簿、今回はドイツ編Part2です。キリンカップも今日から始まっちゃうので、通信簿シリーズはあと1回で終わらせる予定。

 

清武弘嗣(ハノーファー) 6

シーズン開始は怪我で不出場だったものの、復帰以降はエースナンバーにふさわしい主力のシュティンドルが抜けた穴を感じさせない活躍を見せるも、11月の代表戦でまたも右第5中足骨を骨折、そこから見事にチームは急降下、22節に何とか復帰するもシャーフ監督の迷走で再浮上はかなわず、チームはダントツで2部降格が決定してしまった。清武が出場した21試合は勝ち点21を稼ぎ、離脱していた13試合はたったの勝ち点4だったという事実だけを見ても、もはや清武がリーグトップクラスのチャンスメイカーになった事は疑いようがない。トップ下で相手のマークを剥がすスキルについては既に香川を超えた感すらある。二部落ちの契約解除条項があるので今夏の移籍は間違いないが、今度こそ降格の心配をしないで良い、清武の実力に見合った強豪に移って欲しい。

酒井宏樹(ハノーファー) 5.5

フロンツェク、シャーフと戦術が不明瞭な監督がチームを率いていた時はチームが間延びしがちで、もともと戦術理解力に欠ける酒井宏樹はポジショニングがおかしかったり、守備をするだけで攻撃に参加できなかったりと非常にムラのあるプレイぶりでサポーターの不興を買ってしまっていたが、ゾーン・ディフェンスの使い手であるシュテンデル監督が終盤に就任すると、ようやく前線と守備陣との間がコンパクトになって酒井の攻撃参加も増加、31節のインゴルシュタット戦では見事なゴールを決め、復調を示し始めたところでタイムアウトの降格決定。ハノーファーとの契約は今期で終了し、酒井本人も残留は否定、欧州の中での移籍を希望している。監督の指導力次第で出来がまるで異なる選手なので、そういうクラブを今度こそ選んでもらいたい。

山口蛍(ハノーファー) 5

運動量は凄まじく豊富なのだが人に食いつく守備しか出来ず、戦術感覚の向上をドイツでは期待されていたのだが、選んだ先は事もあろうにシャーフ監督率いる降格圏のハノーファー。そこで残留の切り札と妙な期待がかけられた上に、本職のボランチではなくSHやトップ下でのプレイを強いられ、しかもチーム戦術的には混乱の極みで、本人は何をして良いか分からないままにアジア二次予選のシリア戦で眼底骨折の大怪我、そのままシーズンを終了するという失意の年になってしまった。幸い、ハノーファーは2部でもシュテンデル監督の続投が決まったので、途中でクビにならなければゾーン・ディフェンスをしっかり学べる環境にある。移籍の話はいろいろあるかもしれないが、まずは残留で腰を落ち着け、2部から再スタートというのは悪く無い選択だと思うのだが。

原口元気(ヘルタ・ベルリン) 6

21試合の先発に留まった昨シーズンに比べて、今期は32試合に先発と完全にレギュラーの座を確保。チームも最後は息切れしたもののヨーロッパリーグ出場を決めてと一見すると申し分ないシーズンだったように見えるが、おそらく本人の不満は少なくないだろう。その理由は、本来であればもっとアシストやゴールを決めるべきポジションでありながら、前後が分断しがちなチームの潤滑油として、ひたすら上下運動してはドリブルで守備を打開と、PAじゃなくてハーフライン付近での仕事がほとんどになってしまったからである。おまけにハリルホジッチにはカンテのようなプレイを要望されるし踏んだり蹴ったり(笑)。まあ、原口はもともと得点力に難があるし、今はギュンドアンやカンテのようにドリブルでマークを剥がせるボランチが求められる時代になっているし、そこを割りきって本人が意識改革をするかどうかだろうね。

酒井高徳(ハンブルガーSV) 6.5

シーズン開幕は先発に名を連ねたものの、そこから低調なパフォーマンスが続いて失点に絡み続け、ラッバディア監督はやむなく高徳のサブ行きを決意。その後はベンチが指定席になるが、11月になって同じポジションのディークマイヤーが怪我で離脱すると先発に復帰、その後は安定したプレイで攻守に活躍、その後はしっかり先発を守り切ってシーズンを終える事が出来た。実は個人的に今期最も伸びたと思っているのが酒井高徳で、それまでは攻撃は良くても守備のポジショニングに難があったのだが、今はすっかりゾーンの意識を身に付け、時折不安定さは見せるが以前よりははるかに安心してプレイを見られるようになった。内田の将来が不透明なだけに、高徳の飛躍にかかる期待は非常に大きい。

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