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「戦術の無いチームの試合を見るのはなかなか苦痛」J2第15節 セレッソ大阪-ファジアーノ岡山

土曜日は、スカパーの今契約しているセットでJ2のカードをやっていたのでセレッソと岡山の試合を録画観戦。

しかしセレッソの試合は1ヶ月半ぶりに見たのだけど、戦術的にはさらにバラバラになっていたので笑ってしまった。攻撃時にはSBが高く上がって攻撃的になるのはいいけど、CBが低いままでバイタルには巨大なスペースが生まれていて、守備時には中盤の選手が簡単にDFラインに吸収されて5バックや6バックになったりする始末。ゾーンでもマンマークでもないという極めて奇抜な守備戦術である。

前半13分にファジアーノが決めた先制点の場面も、ファジアーノの2トップには全くマークがついておらずバイタルエリアで完全なフリー。そこに山村が中途半端な浮いたバックパスを出し、慌てて山下が追うもののあっさりと豊川に交わされて得点を決められてしまった。いやとにかく酷いもんだ。

対するファジアーノの守備は、イタリア式のアンカーを置いた3-5-2。試合の前半はWBが高い位置に上がって、分厚い攻撃を見せてセレッソを攻め立てていたのはいいけど、徐々にセレッソが押し返し始めてWBが下がって5バック状態になってからちょっとおかしくなってしまった。

その理由は、DFの3バックがあまりに中へ絞りすぎてしまう事。そのため、下がったWBが非常に大きなスペースを1人で見る羽目になってしまい、マークに付けば後ろにパスを通されてしまうし、スペースを埋めれば相手がフリーになるしのアンビバレンツ。しかも後半からセレッソの杉本が3トップのようにサイドの高い位置で張っていたので、そこにWBとインサイドハーフがが引っ張られて中盤も薄くなってしまい、セレッソの攻勢を許す原因になってしまった。

セレッソの2得点はいずれもサイドからフリーで出されたアーリークロスから生まれたものであり、しかも中の守備はちゃんと3人以上揃っていた状態で決められたものであり、3バックの対応やポジショニングが良ければ防げた失点だったように思う。とは言え、戦力差を考えればセレッソのほうが圧倒的に上なわけで、ファジアーノにとっては良く健闘した試合だったと言えるだろう。

それにしても、大熊監督はかつて「サンキュー坂田!」で有名なフレーズでひたすらFWの坂田を守備に走らせる戦術でワールドユースを率いた監督なんだけど、それに比べたら同じ守備的なサッカーをやっていても、手倉森監督のほうが100倍は戦術的にマトモだと痛感させられるよね(笑)。さて果たしてセレッソはこのサッカーで昇格出来るんだろうか?

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