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「バラバラの集合体から、ようやくチームになって来たかな」トゥーロン国際大会 グループB U-23日本-U-22イングランド

既にグループリーグ敗退が決まっている日本は、グループ首位のイングランドとの最終戦に臨み、野津田のお約束になったバーに当たるボレーシュート、南野の切り返しからのシュートなど惜しいチャンスを作りながらも得点できず、前半14分に三丸が与えたPKが決勝点になり、0-1の敗戦で大会を終えることとなった。

前の2戦に比べ、ギニア戦では日本がようやくチームとしての攻守の形が出来つつあるなと感じたのだが、グループ最強のイングランド相手でも、守備ではしっかりゾーンを組んで縦横のカバーリングが整備されていて、1対1ではフィジカルとスピードで振り切られる事が多かったが、そこで何とか粘って2対1にしてボールを奪うことが出来ていたし、欲を言えばもっとラインを押し上げて中盤でプレスをかけられれば良かったが、世界と戦う上で最低限のレベルには持ち込めているのかなと思った。凡ミスを連発してたファンウェルメスケルケン際も落ち着いていたし、喜田のCBも案外良かったしね(笑)。

攻撃もギニア戦と同じように、2トップとSH、ボランチのトライアングルが連動して動いてボールを引き出して基点を作り、そこにSBが上がってクロスを上げたり、サイドに相手を寄せておいて中央をワンツーで仕掛けてみたり、一度大きなサイドチェンジを交えてスペースを作ってみたりと、ちゃんと4-4-2における攻撃の定石を踏まえた形が出来ていて、「何でそこで下げるの」とか「何で前に走っているのにボールを出さないの」というストレスを感じるシーンは以前よりは減ったように思う。

ただ、そういうチームとしてのベースが出来てくると相対的に目立ってしまうのが「個」の部分。シュートの決定力やクロスの精度はもちろんだが、イングランドの選手がパスを受けるとまず前にボールを出してドリブルで加速して行こうとするのに対し、日本は南野や際、この試合には出てないが浅野などを除けば、皆足を止めてボールを受けてから何とかしようという選手ばかりである。

とは言え、このままリオ五輪に出たとしてよほど運が無いと勝てないかもしれないけど、少なくとも各国からグッドルーザーと呼ばれる可能性は出てきたわけで、トゥーロン大会の間にそこまで底上げできたという点に、今のところは喜んでおくべきかなと思った次第。

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