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「フィッカデンティ監督がアクションサッカーに固執する理由は何なのか」J1 1stステージ第13節 サガン鳥栖-大宮アルディージャ

FC東京をクビになったフィッカデンティが、サガン鳥栖で監督就任というニュースを聞いた時は、守備を固めてカウンターという鳥栖のスタイルに合った監督だから、鳥栖がどんな試合を見せてくれるのか楽しみだった。

しかし蓋を開けてみれば、フィッカデンティ監督が鳥栖で取ったのはアクションサッカーという正反対のスタイルで、それで勝っていればともかくここまでリーグ戦3試合無得点で16位の降格圏に沈んでいるというのだから耳を疑ってしまった。

そんな予備知識を持って大宮戦を見ていたのだが、フィッカデンティ監督がやりたい事は良く分かるんだけど、選手は戦術をこなす事が精一杯で、とても鳥栖のチーム力に見合ったサッカーをやってないなと思った。

鳥栖のフォーメーションは中盤ダイアモンドの4-4-2。ビルドアップも定石通りに、SBが高い位置に上がってアンカーが下がり気味の3バックになって、4-4-2のフォーメーションを採る大宮のFWのプレスを外し、サイドで基点を作る。そしてトップ下やインサイドハーフがダイアゴナルランでパスコースを作って最後はサイドからクロスというポゼッションサッカーの黄金パターンである。

ところが、その形をいくら作っても鳥栖はなかなかシュートが打てない。クロスの精度が低い上に、肝心の豊田が大宮の守備陣に競り勝てない。豊田と2トップを組む岡田も全くサポート役になれていない。これでは得点が取れないのも当然である。

それに比べて大宮は極めてシンプル。4-4のコンパクトなゾーンで鳥栖の攻撃をきっちり受け止め、家長が前線で幅広く動いてボールを収め、攻撃陣が押し上げて最後は中のムルジャに合わせる。しかもそれで点が取れないと、決勝点を決めた江坂のようなスピードのある選手を投入できる。豊田がダメならもう打つ手が無い鳥栖とは全然余裕が違う。

じゃあ鳥栖はリアクションサッカーに戻せば良いかというと、現代サッカーでは必須のヴァーディのようなスピードスターがいるわけでも無さそうだし、1stステージはこのままでしょうがないにしても、フィッカデンティ監督は2ndステージからどうするんだろうねえ・・・

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