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「まるでファン・バステンのようだった宇賀神のスーパーボレー(?)」ACLベスト16第1レグ 浦和レッズ-FCソウル

グループリーグでの戦いぶりと結果から、今年の東アジア勢の中では最も強敵だと思われるFCソウル。ACLベスト16の第1レグは浦和ホームでの試合になったが、やはり予想通りにかなり厳しい試合になってしまった。

浦和のフォーメーションはいつも通りの3-4-2-1で、今期の特徴は遠藤が入った事でビルドアップの基点が阿部と遠藤の2人になった事にある。これで浦和のDFにプレッシャーがかけられても、阿部が降りてくる事で4バックのような形になり、CBの位置に居る阿部と遠藤のどちらかがフリーになればサイドチェンジが出せるようになっているので、左右のWBのオーバーラップを有効的に活用できている。

前半14分の浦和の先制点は、彼らじゃなくて森脇からのサイドチェンジだったが、そこに宇賀神がオーバーラップで入り込み、ダイレクト気味で出したクロスは完全な当たりそこねだったが、それがまるでファン・バステンのスーパーボレーのような軌道を描いてファーサイドに吸い込まれるゴールとなってしまった(笑)。

対するソウルのフォーメーションは3-1-4-2という形で、その浦和のサイドチェンジを警戒して前半は5バック気味に守っていたが、先制点を与えてしまった事でWBが高い位置を取るようになり、浦和は西川のキック精度が不安定な事もあってソウルに試合の流れが傾き始め、サイドを破られてコ・ヨハンやダムヤノビッチらにフリーでシュートを打たれる場面はあったものの、西川のセーブや遠藤の必死の戻りなどで何とか失点を免れる。

後半になると、ソウルはダムヤノビッチに代えてパク・チュヨンを投入。パク・チュヨンはダムヤノビッチとは違ってDFラインに激しくプレスをかけて来て、サイドが劣勢な上にボランチにも高萩ら2列目がマークしていたので浦和はビルドアップに余裕が無くなり、前線へのロングボールが増えてしまうが、アンカーに入ったオスマルの高さとリーチでセカンドボールを奪われて攻撃がなかなか組み立てられなくなる。

ソウルは後半の早い時間から後ろは4人ぐらいしか残らない前がかりになって、逆に浦和もカウンターのチャンスが増えて駒井のドリブルから切れ込んでシュートという惜しい場面もあるが、最後の精度が低くて得点ならず。柏木や関根も疲労があるのかチャンスになりそうな場面でミスをしてしまう事が多く、ソウルにとどめを刺すことが出来ない。

後半27分にソウルは195cmのシムウヨンを投入してパワープレイに出るが、ペトロヴィッチ監督はFWのズラタンをシムウヨンのマンマークに付けるという奇策に出て、ロングボールの第一波を跳ね返してもセカンドボールを拾われてサンドバッグになってしまったが、相手のシュート精度や西川の反応に助けられて失点には至らず、浦和が何とか虎の子の1点を守り切って第1レグを終えた。

第2レグの展望としては、やはりチーム力ではソウルの方に分があるのは確かで、後半のように耐える時間帯が多くなるさらに苦しい試合になるのは間違いない。そのためにも、耐えながらも確実にカウンターから得点チャンスを作っていきたいところだが、この試合を見ても武藤や関根、柏木のコンディションが良くないのが心配なところ。週末のFC東京戦を挟んで第2レグが行われるが、ターンオーバーなどを使ってコンディションをどこまで回復できるかがポイントだろう。

追記:Twitterからの情報で、FC東京戦は延期になって1週間空くそうだ。まあどちらも決勝トーナメントに勝ち上がってるから賢明な判断ですな。

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